月経前にひどくなる特有の症状とはどんなものがあるのでしょうか。
生理の前になると現れてくるイライラや胸の張り、眠気や吐き気、頭痛など不定愁訴がその症状です。
これらの症状は、黄体期に起こるもので次の生理が来れば軽くなっていきます。
月経前症候群の症状について詳しくまとめました。
1.月経前にひどくなる
生理前に症状がひどくなります。
排卵が過ぎて、黄体期に入ってから生理の始まる時までに症状が起こります。
月経前症候群は英語でPremenstrual-Syndrome、略してPMSと呼ばれます。
2.いくつかのパターンがある
そして症状が現れるタイミングはいく通りかのパターンがあります。
月経前症候群の症状がある人のなかで、一般的なのがAのパターンです。生理の1週間ほど前に症状が現れ始め、生理が始まると治まっていくパターンです。
Bパターンは排卵から徐々に症状が現れます。
Cパターンは排卵と生理前の2回に分けて症状のピークがある場合です。
残りのDパターンは生理が始まっても症状が治まらず、生理終了まで症状があります。
症状が出るパターンはさらに多くあって、誰でもが同じではありません。
3.月経前症候群の症状の一覧
月経前症候群の症状を一覧にしました。
あなたの症状も次のなかにあるでしょうか。
3-1.イライラ
イライラしたり、モヤモヤしたり、人にきつくなってしまったり、悪口をぼそっと言ってしまったり、普段の自分ならば言わない一言をつい言ってしまうのが生理前の代表的な症状です。
対策としては言い合いになりそうなことを避ける、相手に生理前だからと伝えておく、病院にて薬を処方してもらうなどがあります。
生理前には神経伝達物質のセロトニンが減少するので感情が攻撃的になりやすくなっています。
トリプトファンとビタミンB6を多く含んでいる肉類、乳製品、大豆、ナッツ類、魚類、果物、ニンニク、ご飯を食べるようにしましょう。
クラリセージのアロマオイルをティッシュに垂らして胸元にはさんでおく方法もあります。
生理前のイライラは治せる!原因と6つの対処方法にも詳しくまとめています。
3-2.不安
生理前にセロトニンが減少することで、普段よりも不安に感じたり、気持ちが落ち込むようになります。セロトニンの減少で感情を安定させる働きが低下しているからです。
生理前にうつっぽくなるのも同じ理由からと考えられています。
対策としては趣味などの好きなことをして過ごして「楽しい」と感じるようにします。このときはセロトニンが優位になっています。
単調でリズミカルな運動を5分以上行うのも効果的です。
ウォーキングや軽いジョギング、自転車こぎなどで自分が楽しいと感じるものが効果的です。
5分ほどからセロトニン濃度が高まって、20~30分でピークに達します。
それ以上続けて疲れたと感じるようになると逆にセロトニンの機能は低下します。
出典:http://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/113.html
3-3.胸の張り
胸が張ったり、歩いた時に胸が痛かったり、下着で胸がすれて痛いなどの症状があります。
生理前になると女性ホルモンの分泌が盛んになって乳腺組織が増えるために、胸が張るように感じられます。
手軽な対策としては生理前だけブラジャーをワンカップ大きいもの、柔らかい素材のものを使う方法があります。
月経前症候群に処方される低用量ピルも副作用ではじめの2カ月ほどは胸が張る人が多いようです。
3-4.眠気
働いていたり、家事をしていても、まるで睡眠薬でも飲まされたかのような眠気に襲われることもあります。生理前に分泌される黄体ホルモンは分解されると、アロプロゲステロンとなって、これが睡眠薬級の催眠作用があります。
対策としては、鉄分や銅の入ったミネラル系サプリメントを取ることや当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などの漢方薬を試します。
冷えから眠気が来ることもありますが、その場合はお腹や腰をカイロで温めてみるようにします。
昼間なのに強烈な眠気!PMSによる眠気を撃退する方法にも詳しくまとめています。
3-5.頭痛
頭痛には緊張性頭痛と偏頭痛があります。
緊張性頭痛
血管や筋肉が収縮することで頭痛が起こります。
このタイプの頭痛はストレッチをしたり、温めたりすることで楽になります。
長時間同じ姿勢でいたりする人に多く見られます。
ストレッチや運動で体をほぐして、リラックスした時間をつくるようにします。
出典:http://www.sukkirin.com/otherheadache/tension.html
偏頭痛
脈を打ちながら長時間続くのは偏頭痛です。ズキンズキン、
偏頭痛は部屋を暗くして、冷やして安静にするようにします。
カフェインを取らないことでも予防することができます。
月経関連偏頭痛
月経の前や月経中に起こるのは月経関連偏頭痛です。
この頭痛と生理痛とは対応する薬が異なります。
市販の生理痛薬、頭痛薬でも治まらない月経関連偏頭痛にはトリプタン製剤がよく効きます。トリプタン製剤は処方薬ですから病院での診察を受けてから処方してもらいます。
出典:http://zutsu.jp/healthcare/period/movie_migrane/
出典:http://www.stellamate-clinic.org/zutsuu/
3-6.吐き気
めまいや偏頭痛を伴う強い吐き気がある人もいます。
おう吐してしまうほど強い吐き気は診察を受けてみましょう。
対策としては吐き気止めの薬や低用量ピル、漢方を試してみます。
吐くほどではないけれどムカムカする、我慢できないほどではないけれど吐き気があるという症状も多くあります。
吐き気についてはPMSの吐き気の対処法|妊娠による吐き気との違いに詳しくまとめています。
3-7.めまい
吐き気と一緒におきやすいのがめまいです。
体が浮いてフワフワしている感じだったり、まるで地震が起きたかのように視界がぐるぐると回ります。
生理前のホルモンバランスの変化によって自律神経に変調が起こることでめまいが起こると考えられています。
対策としては五苓散(ごれいさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)などのめまいによい漢方を使用します。
3-8.微熱
生理前は高温期に入っていて、低温期よりも0.3~0.5℃ほど体温が高くなります。
体温の変化を感じないくらいの微熱であれば問題ありません。
悪寒をともなったり、だるくなって仕事が手につかないほどの症状の人もいます。
3-9.腰痛
腰や股関節などが痛くなります。
生理の前になるとプロスタグランジンと呼ばれるホルモンが分泌されて下腹部や腰が痛くなります。
対策としては冷やさないことや、チェストツリーのハーブサプリメントでも改善することがあります。
3-10.下痢
生理の直前になるとプロスタグランジンというホルモンが分泌されます。
プロスタグランジンには子宮を収縮させる作用があって、経血を外に押し出す働きをします。
ところがプロスタグランジンには腸の働きも活発にする作用もあって、生理直前に下痢になってしまう人がいるのです。
このような症状はチェストツリーのハーブサプリメントでも改善することがあります。
3-11.肩こり
肩こりも自律神経の緊張からくるもので、生理の前に肩こりがひどくなります。
肩が凝ると同時に頭痛も起こりやすくなります。
肩こりが起こる前に首の周りや僧帽筋のストレッチを行っておくのが効果的です。
3-12.経血が多い
経血が多いのは月経前症候群ではなく、月経困難症になります。
寝込んでしまうほどの辛さがあります。
経血量が多い場合はプラセンタを試してみるのもおススメです。
プラセンタを1カ月ほど飲むことによって経血量がぐんと少なくなり、寝込むことがなくなります。
治療としては低用量ピルにて月経をコントロールする方法もあります。
4.月経前症候群の対策
月経前症候群の対策は薬による対策の他にサプリメント、アロマオイル、食事、体操、ツボ押しなどがあります。
PMSを楽にするために有効な8つの対策にまとめています。
まとめ
月経前症候群の症状についてまとめました。
症状の種類は多くて人それぞれですが、原因はいくつかに絞りこまれてきます。
ここの一覧から症状を正しく見つめて対処してください。