コラーゲンの広告を見ていると、豚由来コラーゲンとかマリンコラーゲンとか、コラーゲンの原料が何なのかをアピールしているものがあります。
どちらがいいのでしょうか? 迷いますよね。
豚由来のものがいいのか、魚由来のものがいいのか。
実際のところどちらを選べばいいかまとめてみました。
1.豚由来コラーゲンと魚由来コラーゲンの6つの違い
豚由来コラーゲンと魚由来コラーゲンの違いを6つの視点から比べてみました。
1-1.溶解温度の違い
まず溶解温度の違いを調べてみました。魚のコラーゲンは低温でも良く溶け、豚コラーゲンは溶けにくいという主張を見ることがあります。人間の体温は36-37度、豚の体温は39度、魚の体温はほぼ水温と同じだから低い温度でも魚由来コラーゲンが溶けやすいという理屈です。
実験は水温18度の水にコラーゲンペプチド(豚由来2種、魚由来2種)を入れて、かき混ぜて放置しました。左からAとBが豚由来コラーゲンペプチド、CとDが魚由来コラーゲンペプチドです。
実験してみるとその溶解度は4つとも全くといっていいほど違いありませんでした。
豚由来コラーゲン、魚由来コラーゲンともどちらも水に良く溶けます。コラーゲンペプチドまで分解されると溶解度に違いはありません。
どれも水に入れるといったん白く濁り、10分~15分ほどで透明に近くなっていきます。
1-2.カロリーの違い
豚由来コラーゲンペプチド 3.5~3.7kcal
魚由来コラーゲンペプチド 3.4~3.7kcal
1gあたりの値です。イメージでは豚の方が高いですが実際のところほとんどカロリーの差はありませんね。
1-3.アミノ酸組成の違い
次に、豚コラーゲンと魚コラーゲンのアミノ酸組成を比べてみました。
表だとさっぱりわかりませんね。ですのでグラフにしてみました。
魚皮コラーゲン・豚皮コラーゲンのアミノ酸組成
赤いバーが豚皮コラーゲン、青いバーが魚皮コラーゲンです。
どうでしょうか。魚も豚もアミノ酸のバランスはそれほど大きくはかわりません。
表、グラフとも出典より改変して作成 http://www.jellice.com/company/html/guide6a_4.html
1-4.ヒドロキシプロリン量の違い
注目してほしいのは一番下のHypro(ヒドロキシプロリン)です。ヒドロキシプロリンは豚皮コラーゲンのほうが魚皮コラーゲンの2倍弱含まれています。
ヒドロキシプロリンは他のたんぱく質には含まれていないコラーゲンの特徴的なアミノ酸です。近年このヒドロキシプロリンがコラーゲンを作るのにまさに核となるような重要な役割を果たしていることがわかってきました。コラーゲンを作り出している繊維芽細胞を刺激してコラーゲンを作り出す量を増やすことができるのです。
1-5.プロリルヒドロキシプロリン量の違い
また、コラーゲンを食べた後、豚皮コラーゲンのほうが魚鱗、魚皮コラーゲンよりもPro-Hyp(ヒドロキシプロリンとプロリンがくっついたジペプチドで、プロリルヒドロキシプロリンと呼ばれる)が2倍以上多く血中に存在することも分かっています。今後のさらなる研究が待たれますが、豚由来と魚由来コラーゲンの働きの決定的な違いになる可能性があります。
1-6.皮脂量の違い
豚由来のコラーゲンを飲んでいる方がお肌の皮脂の分泌がよくなり、皮脂膜の復活が期待できます。
30代以上になるとほとんどの女性は皮脂膜を自分でつくることができません。
日々の洗顔やクレンジングによる皮脂の落としすぎや、クリームなどを長く使用しているための肌のあまやかしが原因との見方もあります。
豚由来コラーゲンで天然のクリームとも称される皮脂膜を自分の力でつくることができるようになります。
2.コラーゲンの種類
コラーゲンは豚、魚以外にも鶏、牛からも抽出・精製されます。
豚由来は豚の皮の部分、魚由来は魚の皮またはウロコ、鶏由来は鶏の軟骨からつくられます。
2-1.豚コラーゲンの特徴
- 豚の皮から抽出・精製されたコラーゲンです。
- 豚コラーゲンから医療用の人工皮膚が作られるくらいアミノ酸組成がヒトに近く、同じ哺乳類なのでヒトに有効だろうという見方が多いです。
- 臭いは少なめです。
- ヒドロキシプロリン量が魚由来より多いです。
- 摂取すると皮脂の分泌を促し、皮脂膜がつくられます。
2-2.魚コラーゲンの特徴
- 魚の皮、あるいはウロコから抽出されたコラーゲンです。
- 魚由来コラーゲンはフィッシュコラーゲン、海洋性コラーゲン、マリンコラーゲンなどと表現されている場合あります。
- わずかに魚の臭いがするものがあります。
- ヒドロキシプロリン量が豚由来より少ないです。
2-3.鶏コラーゲンの特徴
- 鶏の骨などから抽出されるコラーゲンです。
- 流通量は少なめです。
- 関節によいⅡ型コラーゲンを含んでいます。
2-4.牛コラーゲンの特徴
- 牛の皮から抽出されるコラーゲンです。
- 過去には最も多く流通していました。
- アメリカ、日本国内でも狂牛病(BSE)が発生し、医薬品、化粧品等への牛由来コラーゲンの使用は禁止されています。
まとめ
豚由来コラーゲンと魚由来コラーゲンとで溶解度、カロリーはほぼ違いがありませんでした。豚由来コラーゲンはヒドロキシプロリンが多いことで強固で吸収されにくいと言われることがありました。ですが現在では技術も進歩しコラーゲンペプチドまで酵素分解されてしまっていれば溶解度に差はありません。むしろヒドロキシプロリンが多いというとはヒドロキシプロリンが繊維芽細胞にシグナルを送るなどのコラーゲンの働きの核となる仕事をしていることを考えると豚由来コラーゲンのほうが少量で効果があると考えられます。
豚由来コラーゲンペプチドがオススメ
きめやか.blogでは上記の理由やモニター試験の結果からお肌への効果、実感度については豚コラーゲンをオススメしています。迷われているのであれば豚由来コラーゲンを選ばれるといいでしょう。