更年期に入ると一日に何度もめまいがすることがあります。
めまいは更年期の症状のなかで比較的起こりやすいので多くの女性が経験します。
ひどい場合は普段通りの日常生活が送れないくらいになります。更年期のめまいについて見ていきましょう。
1.更年期のめまいの原因
更年期はエストロゲンの急激な減少によってさまざまな症状が現れますが、めまいの起こるメカニズムはまだはっきりと解明されているわけではなく、決定的な治療法はありません。
人によって、また日によってそのめまいの頻度、症状が変わります。
めまいは更年期の初期の段階で起こりやすく、ほてり、のぼせ、発汗と同時期に起こります。これらの症状が良くなるのに伴ってめまいもおさまってくるのが普通です。
2.更年期のめまいの種類
どのような感じでめまいが起こるかによって大きく3つに分けられます。
2-1.回転性めまい
回転性めまいは体が横になっていても天井がぐるぐると回っているような感じがします。
まっすぐ立っていられなかったりします。
2-2.立ちくらみ・眼前暗黒感
立ちあがったときにくらっときます。いわゆる立ちくらみで目の前がすーっと暗くなったりします。
2-3.浮動性めまい
自分や周りがふわふわとしているように感じます。まっすぐ歩けなかったりします。
3.病院に行った方がいいのか?
更年期のめまいのメカニズムははっきりとわかっていませんが、他のめまいが起こる原因として耳の三半規管の異常を原因とするものや、脳に何かしらの障害があっておこるものがあります。
更年期が原因でない場合は良性発作性頭位めまい症もしくはメニエール病も疑われます。この場合は耳鼻科、脳神経外科を受診してください。立ちくらみの場合は貧血の疑いもありますから内科を受診します。
これらを受診して原因などがない場合は更年期によるめまいが疑われます。
4.めまいが起きた時はどうする?
歩けないほどのめまいに急に襲われた場合はその場でゆっくりと手をついてしゃがみ込みましょう。治まるまで無理に移動しないようにします。
ベッドの上で起こった場合はしばらく安静にして、めまいが治まるのを待つようにします。
5.更年期のめまいの治療
更年期のめまいの治療法は病院にて医師と相談しながら行われます。
自律神経調整薬、ホルモン補充療法、漢方薬などの選択肢があります。
自律神経調整薬は自律神経のバランスを整えることによってめまいに有効です。他に耳鳴りや頭痛、肩こりでも処方されます。重い副作用はありません。
ホルモン補充療法(HRT)は足りなくなった女性ホルモンを飲み薬や貼り薬で補う療法で即効性があるのが特徴です。ホルモンバランスを見てエストロゲン単剤、プロゲステロン単剤、エストロゲンとプロゲステロンを両方配合したものから選びます。
漢方薬は副作用が少なく長期に飲用できる利点があります。
6.更年期のめまいにいい漢方薬
更年期のめまいに有効な漢方薬を見ていきましょう。即効性はないものの数カ月かけて体質を改善するなかで効果を感じてきます。
- 加味逍遥散…更年期症状の代表的な漢方です。頭痛やめまいに効果があります。
- 桂枝茯苓丸…血の流れをスムーズにしてのぼせや肩こり、赤ら顔に効果があります。
- 五苓散…体内に余った水分を調整する働きがあます。むくみ、めまい、吐き気に適応します。
- 半夏白朮天麻湯…胃がもたれチャプチャプする感じ、冷えのある方のめまいに効果があります。
- 苓桂朮甘湯…胃がもたれチャプチャプする感じ、冷えがあり、尿量が減少する人のめまいに効果があります。
漢方薬は独特の考え方のもと体質によって薬を飲み分けます。
更年期障害に効果を発揮する漢方薬に詳しくまとめていますから参照してください。
7.更年期のめまいにいいサプリメント
更年期に有効なサプリメントのなかでめまいに良いのは次のものです。
- プラセンタ…ホルモンのバランスを整えてくれる効果があります。めまいにも効果があります。
- ビタミンB群…ビタミンB群が不足すると精神が不安定になります。ビタミンB群を不足させないようにします。
まとめ
めまいは実際に体験すると本当に怖いものです。更年期のめまいについてまとめました。