肌が荒れて、頬が乾燥するのはタバコを吸っているからかもしれません。
鏡を見るたび「タバコをやめたら肌がきれいになるのかな?」と悩んでいる方は対策をするならできるだけ早いほうが賢明です。
タバコで肌荒れしてしまう原因や、対処法について解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.タバコを吸っている人の肌の悩み
1-1.タバコの肌の悩み
タバコを吸う人には、次のような症状が現れることが多いです。
- 肌の乾燥やカサつき
- くすみ
- 毛穴が目立つ
- たるみ
- 歯の黄ばみ
- シワ
- シミ
タバコを吸うことによって現れるこれらの症状は「スモーカーズフェイス」と呼ばれます。
これらは老化や良くない生活習慣によって誰にでも出やすい症状ですが、タバコを吸っていると老化のスピードが早くなるので、非喫煙者に比べて悪化しやすくなります。
1-2.悩みの声
弊社で実施したアンケートでは、実際にこのような悩みの声が寄せられています。
「お肌の乾燥・毛穴の開きが特に気になり、ナイトケアをしても翌日の化粧ノリが悪く納得いける日がない。お昼過ぎ頃から決まってパサパサ・カサカサしてきて化粧直しは絶対ですが、悪いと分かっていてもストレスの発散としてつい吸ってしまう」
「吸っていた当時は煙草がストレス解消にはなっていたと思っていたけれどただの依存で、美容にとってはくすみ、乾燥、肌荒れ、たるみ、歯の黄ばみ……いいことが何もなかった」
タバコには中毒性があるので、一度吸い始めるとなかなかやめることができません。
肌の調子が悪くなったり、歯が黄ばんだりして見た目にも相当なダメージがあるのに、それでもつい手が伸びてしまうのですね。
でも、なぜタバコを吸うとこのような症状が出やすいのでしょうか?
2.タバコで肌荒れする原因
2-1.血管の収縮
タバコを吸うと、これに含まれるニコチンによって血管が収縮し血流も悪くなり、肌細胞の生まれ変わりに必要な栄養素や酸素が届きにくくなります。
その結果、ターンオーバーが滞って古い角質やメラニンが排出されずに残ってしまい、様々なトラブルが起きやすく、さらにトラブルが治りにくくなります。
2-2.タールの蓄積
タバコに含まれるタールは体内に蓄積する性質があるため、喫煙本数が多かったり、喫煙歴が長かったりする人ほど影響を受けやすくなります。
具体的には、ガンになりやすくなったり、ヤニで歯が黄ばんだりといったものです。
2-3.ニコチン依存
ニコチンやタバコに添加されているアンモニアには依存性があるため、体が慣れると容易にやめられなくなってしまいます。
禁煙に失敗する人が多いのもこのためで「本当は良くない」と思いながらも吸ってしまうのでストレスがたまり、これを解消するためにまたタバコに手が伸びるという悪循環になってしまいます。
脳がニコチンによって快感を覚えるようになってしまっているので、禁煙を成功させるには相当の強い覚悟が必要となってきます。
3.肌荒れのケアの一番は禁煙
タバコを吸い続けている限り、どんなにスキンケアを頑張っても肌荒れからは逃れられません。
健康のためにも、すっぱり禁煙してしまうのが一番です。
禁煙するための方法や、喫煙者が少しでも肌状態を回復させるためのポイントについて解説します。
3-1.禁煙する方法
<禁煙外来>
近頃では自力でタバコをやめることが難しい人のために、禁煙外来を設ける病院が増えてきました。
治療はニコチンガムやニコチンパッチで少しずつニコチンを補給しながら「タバコが吸いたい」という気持ちを抑えたり、ドーパミンを放出させる効果のある「ニコチンを含まない飲み薬」を使って禁断症状を軽くしたりする方法が中心です。
残念ながらニコチンガムには適用されませんが、次の条件を満たす人は保険で治療が受けられる可能性があるので医師に相談してみてください。
禁煙治療が保険適用になる条件
- ニコチン依存症の判定テストが5点以上
- 年齢が35歳以上で、1日あたりの平均喫煙本数×これまでの喫煙年数が200以上
- 今すぐ禁煙を始めたいという意思がある
- 禁煙治療を始めることについて、文書で同意している
※前回の保険を使った禁煙治療から1年経っていない時は、これらの条件を満たしていても自由診療となります
<タバコが吸える環境を作らない>
すでにニコチン依存になってしまっている人は、タバコやライター、灰皿などの道具を目にするとついふらふらと手が伸びてしまうことが多いです。
ですから、禁煙すると決めたらこれらの道具を全て処分し、吸いたくても吸えない状況に追い込むことが大切です。
職場やショッピングセンターなどの喫煙スペースもできるだけ避けるようにし、自分の生活の中から喫煙につながりやすい要素をなくしていきましょう。
<ストレスを解消させる>
よく「タバコを吸うと頭がすっきりしてストレスが解消される」と言いますが、これはニコチン依存によって作り出される禁断症状をニコチンの補給によって鎮めているだけです。
しかし、実際にタバコを吸うとその時だけ気分が晴れるような気がするので、ストレスの多い人はつい喫煙本数も増える傾向があるのです。
この悪循環から抜け出すには、ストレスの原因そのものを解消させるしかありません。
仕事、人間関係、将来への不安など、人によっていろいろな悩みがあると思いますが、一つずつじっくり見つめ直し、解決への糸口を探っていきましょう。
スポーツや音楽など趣味をつくるだけでもかなりストレスが減ってきます。
3-2.緑黄色野菜・ビタミンを多く摂る
忙しさや面倒にかまけて、インスタント食品やコンビニ弁当、ファーストフードばかり食べていると、添加物によって活性酸素が発生したり、体に必要な栄養素が不足してしまったりするので、肌にはよいことではありません。
ここにタバコの害が加わることでさらに肌に負担がかかっていきます。
食事は次のような栄養素や食材を中心に、バランスよく食べるようにしましょう。
<ビタミンA>
にんじん、ほうれん草、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、レバー、うなぎの蒲焼き、卵黄、焼きのり、しそなどの食品に多く含まれる栄養素。
細胞を正常に増殖・分化させたり、皮膚や粘膜を健康に保ったりする働きがあるので、しっかり摂っておくとターンオーバーが正常化し、シミやシワ、たるみができにくい肌になります。
ビタミンAを上手に摂るためのコツ
ビタミンAは油と一緒に摂ると吸収率が良くなるので、炒め物にしたり、オイルでできたドレッシングをかけたりすると良いです。
ただし、熱に弱いので加熱のし過ぎには気を付けてください。
<ビタミンB2>
レバー、うなぎ、すじこ、納豆、卵黄、乳製品、葉物類に多く含まれる栄養素で、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きをします。
スムーズな細胞の再生を促してくれるので、肌荒れ解消にはもってこいです。
ビタミンB2を上手に摂るためのコツ
ビタミンB2は水溶性なので、水で洗いすぎたり茹でたりするとせっかくの栄養素が流れ出てしまいます。
調理をする際は、煮汁ごといただけるメニューにすると良いでしょう。
納豆やチーズならそのまま食べられるので、朝食やおやつに便利です。
<ビタミンC>
果物、いも類、緑黄色野菜、緑茶などに多く含まれる栄養素で、コラーゲン生成を助けてシワやたるみを改善したり、メラニンを還元してシミを薄くしたりする作用があります。
喫煙によって大量に失われるビタミンなので、積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンCを上手に摂るためのコツ
水や熱に弱いビタミンなので、洗いすぎや加熱のし過ぎには注意が必要です。
野菜や果物をさっと洗ってそのまま食べたり、油で手早く炒めたりして、できるだけ栄養素の損失を防ぐようにしましょう。
汁物や鍋物で溶け出した栄養素ごといただくのもおすすめです。
<ビタミンE>
ナッツ類や魚介類、肉類、緑黄色野菜、植物油(ひまわり油、トウモロコシ油、大豆油)、モロヘイヤなどに多く含まれる栄養素で、血行を良くしてターンオーバーのサイクルを整えたり、過酸化脂質の生成を抑えてシミをできにくくしたりする働きがあります。
ビタミンEを上手に摂るためのコツ
油溶性のビタミンなので、油と一緒に摂ると吸収率が良くなります。
肉と野菜を油で炒めたり、サラダにかけるドレッシングを植物油で作ったものにしたりすると良いです。
3-3.コラーゲンを摂る
コラーゲンはもともと肌の真皮層に存在するたんぱく質の一種で、細胞同士をつないで弾力を保ったり、ターンオーバーを促したりする働きをします。
コラーゲンを生成するにはビタミンCが必要ですが、喫煙によってその大部分が失われてしまうため、積極的に補給することが大切です。
コラーゲンの摂り方
コラーゲンは手羽先、牛すじ、ふかひれ、鮭(皮つき)、うなぎの蒲焼きなどに多く含まれています。
ビタミンCと一緒に摂ると効果的なので、うまく組み合わせて調理するようにしましょう。
皮の付いた魚は、骨を取り除いてからまるごといただくと良いですね。
サプリメントを活用する
食事でコラーゲンを毎日摂取しようとすると意外と大変なことがわかります。そんなときは市販のコラーゲンサプリメントを有効に活用しましょう。コラーゲンサプリメントのなかでもタバコを吸われる方への効能評価試験を行っているものもあります。臨床試験など検証実績のあるものから選ぶようにします。
3-4.睡眠時間を確保する
質の良い睡眠をとると成長ホルモンが大量に分泌され、ターンオーバーがスムーズに行われます。
入眠後3~4時間が最も分泌されやすいので、睡眠時間をしっかり確保するようにしましょう。
質の良い睡眠をとるには、寝室の環境を整えたり、神経をリラックスさせてあげたりすることが大切です。
スマホやパソコンなどの機器からは脳を興奮させるブルーライトが出るので使用を控えめにし、半身浴やアロマ、ストレッチなどで気持ちを穏やかにしてからベッドに入ることをおすすめします。
寝る前の一服が習慣になっている人も多いと思いますが、ニコチンには覚醒作用があるので、できるだけ吸わないようにしましょう。
3-5.優しい使い心地のクリーム
肌が荒れるとバリア機能が弱まるので、化粧水がしみやすくなります。
そんなときは刺激の少ないクリームをプラスして肌の表面を保護をして状態を整えるようにしましょう。
おすすめの商品をいくつかご紹介します。
ディセンシア つつむ フェイスクリーム
(株)decencia/3,240円(税込)、定期コースなら2,916円(税込)
出典:http://www.decencia.co.jp/
独自に開発した「ヴァイタサイクルヴェール」が皮膚の表面をバリアで覆い、水分の蒸発や外部からの刺激を防いでくれるクリーム。
ナノ化したヒト型セラミドを配合しているので、保湿成分が角質層のすみずみまで浸み込んでうるおいを与えます。
ヒフミド エッセンスクリーム
(株)小林製薬/6,480円(税込)、定期コースなら5,637円(税込)
出典:https://www2.kobayashi.co.jp/
3種類のヒト型セラミドが肌にしっかりうるおいを与えてくれるクリーム。
弾力が増して、使い続けるうちにだんだん内側から弾むようなハリを感じられるようになります。たるみによるシワの改善にもおすすめです。
キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム
(株)花王/価格記載なし
出典:http://www.kao.com/
炎症を抑える成分が配合されているので、肌荒れによるピリピリ感が気にならなくなります。
保湿力の高い「潤浸保湿セラミド機能成分」や「ユーカリエキス」が角質層にうるおいを与え、ふっくらとした吸い付くような手触りの肌にしてくれます。
まとめ
タバコを吸うことによって出やすい肌の悩みやその原因、解決法についてご紹介しました。
できればきっぱりと禁煙するのが望ましいですが、それが難しい場合は食事や睡眠に気を付けるようにしましょう。
肌荒れでいつもの化粧水がしみる時は、敏感肌でも使える優しい使い心地のクリームを使うことをおすすめします。