化粧品をかえたらヒリヒリする、季節の変わり目や花粉の時期はいつもより乾燥する、これってもしからしたらやや敏感肌、略して「やや敏」かもしれません。
他にもアクセサリーをつけていたらいつの間にか赤くなったり、衣服のこすれなどで痒くなったりするのは肌が敏感になっているからです。
今回の記事は敏感肌の原因と悪化させない対策についてご紹介します。
目次
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- 1.敏感肌とは
- 1-1.健康肌と敏感肌の違い
- 1-2.敏感肌になる順番
- 2.敏感肌チェック
- 3.敏感肌を悪化させない8つの対策
- 3-1.化粧品
- 3-1-1.シャンプー
- 3-2.アクセサリー・時計
- 3-2-1.金属アレルギーの対策
- 3-2-2.アレルギーが起こしやすい・起こりにくい金属
- 3-2-3.金属アレルギーが起こる過程
- 3-3.パッチテスト
- 3-4.衣服
- 3-5.入浴
- 3-6.体調
- 3-6-1.睡眠不足
- 3-6-2.精神的ストレス
- 3-6-3.疲れ
- 3-7.季節
- 3-7-1.4月は花粉
- 3-7-2.5月は紫外線
- 3-7-3.12月は乾燥
- 3-8.食べ物
1.敏感肌とは
1-1.健康肌と敏感肌の違い
まずは健康肌と敏感肌を比べてみましょう。
健康肌は十分なバリア機能があり外部からの刺激をはじき返すことができます。
対して敏感肌は皮脂の分泌が低下していたり、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)やセラミドなどの細胞間脂質が何らかの理由で減少していることでバリア機能が低下しています。
こうなると水分を保持することができなくなるばかりか、紫外線やホコリ、花粉などの外的な刺激もブロックすることができなくなり、ますます肌が敏感になっていきます。
1-2.敏感肌になる順番
肌は自らの潤いを保つために、皮脂を分泌していますが、洗顔のし過ぎや加齢による皮脂分泌量の減少などで皮脂膜がつくれずに肌が乾燥していきます。皮脂膜が作られないと角質層が乾燥して細胞内の潤いや細胞間の潤いも不足します。
そうなると角質がポロポロとはがれ落ちてしまうのです。
2. 敏感肌チェック
あなたの肌は敏感肌ですか?
チェックシートを使って敏感度を確認してみましょう。
チェックした項目が多くなると敏感肌の可能性が高くなります。
チェックが5個以上になると敏感肌の予備軍で「やや敏」といえます。
9個以上では敏感肌の可能性が高いです。
チェックが4個以下であれば敏感肌の心配はありませんが、項目の上から3つのうち1つでもあてはまるとやや敏の可能性があります。
3.敏感肌を悪化させない8つの対策
次からは敏感肌を悪化させないための対策についてご紹介していきます。
3-1.化粧品
敏感肌の人が化粧品を使うときは慎重に選ばなくてはいけません。
自分で肌に合う化粧品を見つけることが必要です。
詳しくは敏感肌のための化粧品の見つけ方|失敗しない6つのポイントにまとめてあります。
3-1-1.シャンプー
頭皮も敏感肌になることもあります。
シャンプーの成分による刺激や洗い残しなどが頭皮にダメージを与えたりします。
ヘアワックスやヘアスプレーなどのスタイリング剤もしっかりと洗い流すようにします。
シャンプーの選び方
- 低刺激なシャンプー
刺激が少ない脂肪酸系のタウリン系、アマイドサルフェート系、アミノ酸系のシャンプーを選びます。 - 植物由来の成分のシャンプー
植物由来の成分を配合したシャンプーを選びます。 - 保湿成分配合のシャンプー
保湿成分が配合したシャンプーを選びます。
敏感肌の人には上記の条件を満たしていても合わないこともあります。使用して頭皮に違和感があるようなら控えてください。
NGなシャンプー
- フケ専用のシャンプーは殺菌成分や洗浄力の強い成分が配合されているため避けます。
- メントール、クールタイプのシャンプーは頭皮への負担も大きく洗浄力も強いため避けます。
洗い方やケア方法は頭皮が乾燥する4つの原因と潤いをアップさせる5つの方法にまとめてあります。
3-2.アクセサリー・時計
敏感肌でもアクセサリーや時計は身につけてオシャレを楽しみたいですね。
金属を直接肌につけることによって赤くなったり、痒くなったりと肌が炎症することがあります。
敏感肌でも安心して楽しむアクセサリーなどの貴金属をご紹介します。
3-2-1.金属アレルギーの対策
金属は身近にあって次のようなところで肌に接触します。
貴金属によるネックレスやピアス、時計、ブラジャーの金属部分や金属のボタンなどが肌に触れやすいです。
金属アレルギーを起こさないためには
- アレルギーの引き起こしやすい金属は避けるようにします。
- スポーツや汗をかくときはアクセサリー、時計などを外して金属に触れないようにします。
- ピアスは肌の真皮と接触するため耳たぶがかぶれやすいです。ピアスホールが完成してから付けるようにします。
3-2-2.アレルギーが起こしやすい・起こりにくい金属
金属アレルギーが起こりやすい金属と起こりにくい金属があります。
アレルギーを起こしやすい金属
水銀、ニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、クロムは金属が溶けやすいためアレルギーを引き起こしやすいです。
アレルギーを起こしにくい金属
チタン、銀、プラチナ、金、亜鉛は金属が溶けにくいためアレルギーを引き起こしづらいです。
金属にも純度があって、他の金属が混ぜられていることがあります。素材の表記を確認して購入しましょう。
3-2-3.金属アレルギーが起こる過程
金属アレルギーはまず金属が直接肌に触れて、汗で溶け出るところから始まります。敏感肌の人はネックレスは直接肌につけるのではなく、服の上からできるものを選びます。
ピアスはチタン製でなかでも純度の高いものを選ぶようにします。
金属アレルギーが起こる過程
- 金属製のものを身体につける
- 汗で金属が少し溶け出す
- 溶けた金属がイオン化して体内へ入る
- 体内のたんぱく質と結合することでアレルゲンになる
- 体内のアレルゲンに対する抗体ができる
- また同じ金属に触れたときに、抗体がアレルゲンを見つけて反応する
金属アレルギー「6.抗体がアレルゲンを見つけて反応する」が起こる期間は人それぞれ違います。
3-3.パッチテスト
皮膚科でのパッチテスト
皮膚科で本格的にアレルギー検査ができます。
化粧品や金属など調べたいものを背中の上部や二の腕に貼ってアレルギー反応を調べます。
お医者さんに相談してください。
簡易的パッチテスト
化粧品やシャンプーなどは自分で簡単にパッチテストを行うことが出来ます。
絆創膏のガーゼ部分に化粧品を塗って24時間経過するまで様子をみます。
太ももの内側や二の腕などの皮膚の柔らかい部分を使って肌の反応をみます。
肌に赤みや痒み、ヒリヒリなどの違和感がないようなら少量から試してみましょう。
3-4.衣服
肌が衣服にこすれることで痒くなったり、ヒリヒリしたり赤くなったりします。
バリア機能が低下している敏感肌は衣類からの刺激も受けやすくなっています。
肌に負担をかけない対策
- 天然素材のシルクやコットンなど刺激のない衣服を着る
- 衣服は清潔にする
- 衣服の摩擦による刺激を少なくするために敏感肌専用の柔軟剤を使う
- 発熱素材の衣類は避ける
洗濯洗剤
洗濯後の衣服は合成界面活性剤が繊維1本1本にこびりついています。5回すすいでも成分が残っているため肌に刺激を与えてしまいます。
低刺激の洗濯洗剤や重曹、石鹸成分の洗剤、敏感肌専用の洗濯洗剤を使って洗うと肌に優しいです。
3-5.入浴
敏感肌の人のための優しい入浴方法をご紹介します。
- 38~39度のお湯に5~10分くらい浸かる
角層にある細胞間脂質のセラミドは皮膚内の水分を逃がさない役割をしています。
熱いお湯や長時間の入浴はセラミドを流してしまいます。38~39度に設定したお湯で5~10分ほど湯船に浸かるようにします。 - 入浴剤はセラミド配合、敏感肌用を選ぶ
水道水には塩素が含まれているため、敏感肌では肌が赤くなることもあります。湯船に入浴剤を入れることで水道水が柔らかくなります。また、保湿成分も肌を保護してくれます。セラミド配合のものや敏感肌用の入浴剤を使用するようにします。配合成分によっては合わないものもありますので、一度使用して合わなければ次から使用しないようにします。 - ビタミンCを入れる
ビタミンCの原末0.2gを湯船に入れてから、お湯を張り始めると入浴するころには反応して塩素がなくなっています。
ビタミンC+次亜塩素酸ナトリウム→酸化ビタミンC+食塩水(水+塩化ナトリウム)
ビタミンCの原末は通信販売で入手できます。 - こすり過ぎない
体を洗うナイロンタオルやスポンジなどは肌を傷つけてしまいます。
体を洗うときは手を使って洗います。石鹸やボディシャンプーは股間、脇、足の裏だけに使用します。
入浴後もタオルでゴシゴシと拭くと肌を傷つけてしまいます。 - 保湿する
入浴後はローションやオイルで保湿してから、体を軽くポンポンと水分を拭き取るようにします。お風呂から出た直後から水分はどんどん蒸発していきます。乾燥を防ぐためには出来るだけ早く保湿を始めます。
3-6.体調
敏感肌はゆらぎやすい肌です。
体調の変化でいつもより敏感になってしまったり、環境の変化によっても肌がストレスを感じやすいのです。
「あなたの肌が不調になる要因は?」とのアンケートの回答で一番多いのが睡眠不足、次に精神的ストレス、疲れ、生理周期となっています。
これら生活のなかで肌の不調が繰り返しおこることを「ライフスタイル敏感肌」と呼んでいます。健康な肌に比べて波のゆれが大きく深くなって肌の調子が安定していない状態です。
3-6-1.睡眠不足
睡眠不足になると肌の蒸散量が多くなります。3時間しか眠れなかった朝は6時間眠れた朝よりも水分が蒸散しています。また、浅い眠りは成長ホルモンの分泌が少なく肌の修復がされにくくなります。
睡眠をしっかりととるために次の対策をします。
- スマートフォン、携帯、PC、テレビなどは脳を刺激するため睡眠前は控えるようにします。
- アロマオイルをハンカチやティッシュなどに1~2滴垂らして枕元に置いて睡眠します。
- カモミールティーはリラックスさせて深い眠りに入ることが出来るため睡眠前に飲むようにします。
3-6-2.精神的ストレス
社会に出るとストレスを受けることが多くなります。
ストレスは体の機能を低下させてしまいます。肌の水分保持力やバリア機能も衰えてしまいます。
ストレスを発散して溜めないようにします。
- 趣味でストレスを解消します。読書や音楽、映画、運動など好きなことを積極的に打ち込みます。
- 泣ける本や映画、ドラマを見てストレスを解消します。悲しいとき、感動したときの涙はストレスが軽減できます
3-6-3.疲れ
疲れが溜まると血行が悪くなったり、老廃物を排出するリンパの流れも滞ることもあります。すると、ターンオーバーの乱れや肌荒れ、外的な刺激に耐えることが出来なくなってしまうこともあります。
1日の疲れはストレッチをして解消しましょう。
3-7.季節
花粉や紫外線が強い時季、季節の変わり目は肌が過敏になっています。
4月、5月、12月は敏感肌が悪化したり、敏感肌になる可能性が高いです。
これらの月の対策をご紹介します。
3-7-1.4月は花粉
敏感度が一番高い4月ころは、特に花粉が体内に侵入してアレルギー反応を起こしています。顔にも花粉がついていますからこの季節に化粧品をかえると肌がヒリヒリしたりします。新生活の始まりなどでストレスも感じやすくなっています。
スギ花粉は2月から飛び始めますが、4月は他にもいろいろな花粉が飛んでいます。
花粉対策
- 油分の多いファンデーションは花粉がつきやすいため、パウダーファンデーションにします。
- お肌に花粉がついているため、帰宅後はメイクを落とします。敏感なときは優しく洗顔をします。
- 花粉は髪の毛にもついているため、シャワーを浴びて花粉を流します。
- 顔、体はしっかりと保湿してバリア機能を回復させます。
3-7-2.5月は紫外線
5月から紫外線量も増えてきます。春の弱っている肌に紫外線を浴びることでダメージを受けます。ダメージを受けた肌は敏感肌になりやすくなります。
日焼け止めクリームや帽子、日傘、アームカバーなどで対策します。
日焼け止めクリームの選び方
- SPF値が高くないもの
- クレンジング料を使用しないで石鹸で落とせるもの
- アルコール、紫外線吸収剤が入っていないもの
3-7-3.12月は乾燥
出典:http://www.jma.go.jp/jma/index.html
12月、1月、2月は1年の中で乾燥しやすい時期です。乾燥した空気によって肌表面の水分が奪われて、角質層内の水分も不足してきます。角質がカサカサするとバリア機能が低下して、外的な刺激を受けやすくなります。
乾燥を防ぐ対策
- 加湿器や観葉植物などで部屋の温度を60~65パーセントにします。
- 水分を補給します。1日に必要な水分量1.2リットルを摂取します。
- 保湿ケアをしっかりと行います。
3-8.食べ物
栄養不足の影響はすぐに肌にでます。ダイエットや偏った食事は肌の乾燥やターンオーバーの低下など肌のトラブルを起こす原因となります。ターンオーバーが乱れるとバリア機能が低下して、敏感肌になりやすくなります。
主食、主菜、副菜、汁物の栄養バランスを取れた食事を1日3食取って体内から敏感肌を良くしていきます。
特に摂取したい食べ物
- たんぱく質・・・肌を再生させる
肉類、魚類、卵、大豆製品など - ビタミン類・・・皮膚の粘膜の生成、コラーゲンの生成をサポート、新陳代謝の促進させる
ニンジン、しそ、レバー、パプリカ、かぼちゃ、ブロッコリー、大豆製品、ナッツ類など - コラーゲン・・・皮脂の分泌を促進させる
フカひれ、豚足、手羽先、豚バラなど - 亜鉛・・・細胞の合成を促進させる
カキ、牛もも肉、レバー、大豆製品、チーズなど
簡単にできる手羽先のオーブン焼きと彩り鮮やかなサラダのレシピ
オーブンで簡単に出来る手羽先とビタミンがたくさん取れるサラダをご紹介します。
コラーゲンとビタミンを取ってバリア機能を高めましょう。
簡単にできる手羽先のオーブン焼き
材料
手羽先 8本
醤油 大さじ2.5
みりん 大さじ2
砂糖 小さじ1
酒 大さじ1
- 調味料を合わせてから、手羽先を入れて揉む
- 冷蔵庫に入れて30分程度置く
- 250度のオーブンで20分くらい焼く
オーブンによって焼き具合などが違いますので、様子をみながら調節してください。
彩り鮮やかなサラダ
材料
ブロッコリー
パプリカ
トマト
アスパラ
お好きな野菜
ドレッシング(オリーブオイル大2、レモン汁大1、塩少々、胡椒少々、粒マスタード少々)
- ブロッコリーやアスパラはお好きな大きさに切ってから茹でる
- パプリカ、トマトなどの具材を切る
- ドレッシングの調味料をよく混ぜ合わせる
- お皿にサラダをのせて、ドレッシングをかける
ドレッシングは市販のものでも美味しくいただけます。
まとめ
今回はやや敏感肌の人がこれ以上敏感肌を悪化させない対策についてまとめました。
化粧品や身につけるもの、生活習慣などに気をつけて敏感肌を悪化させないようにして下さい。