更年期のホルモン補充療法で若返る！

更年期に入ると症状がつらくて病院にてホルモン補充療法を受ける方がいます。
その方々のなかから肌のツヤが出て、元気も出て若返ったという声が聞こえてきます。
実際のところホルモン補充療法で若返るのでしょうか。
詳しく調べてみました。

１．アンチエイジング目的でのホルモン補充療法

アンチエイジング目的でのホルモン補充療法は残念ながら保険の範囲内では受けることができません。アンチエイジング目的でホルモン補充療法を受けたい場合はアンチエイジング外来などで保険適用外、つまり１００％自費治療にて受けることになります。
通常の病院では更年期障害の治療、緩和が目的でホルモン補充療法が行われますから、若返りはあくまで副産物的な捉え方をされます。女性ホルモン値が低い、めまい、ホットフラッシュなどの症状がないと自費診療となります。

２．ホルモン補充療法で若返るのか？

では実際にホルモン補充療法で若返るのでしょうか。答えはイエスです。
ホルモン補充療法を行えば数週間で更年期の症状は楽になり、数か月で肌のツヤやハリなどで若返ったと自覚します。
もともとのお肌の状態などがありますから全員が若返りの効果を感じる訳ではありませんが、女性ホルモンの影響の強さを多くの方が感じるはずです。

肌のハリが良くなりホウレイ線が薄くなった気がする
肌のハリがあり、体調もいい
肌の潤いも出て化粧のりがよくなる
体調がよくなって表情が明るくなる

良い効果ばかりのホルモン補充療法ですが投薬は計画的にまた体調の変化を見ながら行う必要があります。薬を急にやめるとかえって更年期の症状が強く出てしまいます。

３．ホルモン補充療法の副作用

ホルモン補充療法の副作用についても知っておきましょう。ホルモン補充療法の副作用には以下のものがあります。

不正出血がある
乳房が張って痛い
おりものがある
吐き気がする
食欲が出て太る
乳がん

乳がんについては何も治療を受けない方が乳がんになる確率は600人に1人ですが、ホルモン補充療法を５年以上行うと、乳がんになる確率は600人に1.3人になると言われています。ただ他の要因に比べて決して高い訳ではありません。
新しい情報によると2017年の婦人科ガイドラインではホルモン補充療法によって乳がんになる副作用はないとされています。
乳がんになる危険因子としては肥満（20％以上）、飲酒、初経年齢が早い、未婚、初産が遅い、授乳歴がない、家族歴があるなどがあります。

出典：http://www.sawada-ladies.com/horumon/

４．定期検査を受ける

ホルモン補充療法を受けられる方は６カ月毎に定期検査をお勧めします。
子宮がん検診、乳がん検診、血液検査、骨塩量、血圧など。

５．ホルモン補充療法と漢方薬との比較

更年期に入って病院にかかるとホルモン補充療法と漢方薬、プラセンタ療法とどれがいいかを医師と相談しながら決めます。ほてり、のぼせ、多汗などのいわゆるホットフラッシュにはホルモン補充療法が有効です。
精神面、疲労面、睡眠面、めまい、肩こりなどの症状についてはプラセンタ療法が有効です。
それらを補充するために漢方薬が使われます。

ホルモン補充療法（HRT）

過去に子宮がん、乳がんを罹患した人はホルモン補充療法を受けることができません。
また子宮筋腫、高血圧、糖尿病、不正性器出血のある方についても受けることが難しくなります。
ホルモン補充療法のメリットとしては本当に症状が重い時に数日から数週間で効果が現れることです。即効性がありますからつらくて布団から出られないときはホルモン補充療法を選びましょう。
注意点としては途中で急にやめると更年期の症状が重く感じる点です。

漢方薬

更年期の症状が比較的軽ければ漢方薬が処方されます。
女性ホルモンがある程度分泌していないと効果がありません。また漢方独特の考え方である証といわれる体質を判断して処方されます。
漢方薬のメリットとしては効果は穏やかですが、長期的に飲めることと体質に合っていれば効果がしっかりと現れることです。

プラセンタ療法

一部の病院ではプラセンタ療法をすすめられることがあります。プラセンタ注射は更年期障害に保険適用になります。プラセンタの効果は含まれる成長因子用成分が多様に働いてホルモンバランスを整え、自律神経の調子がよくなります。重篤な副作用もありません。
プラセンタ注射を受けると変異型クロイツフェルト・ヤコブ病のリスクが理論上ゼロではないことから献血が行えなくなります。ですが実際にプラセンタ注射によって病気などがうつった事例はありません。