いくつかの美白化粧品を使ってみて、いいかもと感じるものもあったし、まったく変化のわからないものもありました。小さいシミやくすみが目立たなくなるだけでも違うのでよりよいものを選びたいですよね。
この記事ではあなたにあった正しい美白化粧品の選び方をお教えして、みなさんをシミやくすみのない白い肌に導くことを目指しています。
1.美白化粧品の3つのタイプ
できてしまったシミを美白化粧品で消すことができるのでしょうか。クリニックの治療ではキレイにすることができますが、金銭面や敷居の高さを考慮するとやはり化粧品を使ってケアしたいところでしょう。
一言で「シミを消す」と言っても、実は美白化粧品の働きは以下の3つに分かれます。それぞれの商品ごとにどの作用を重視しているのかが違ってくるのでしっかりチェックして選びましょう。
- メラニンの抑制
- メラニン色素の還元
- ターンオーバー促進作用
メラニンの抑制はシミができてしまったり濃くなってしまうのをあらかじめ防ぐ作用があり、メラニン色素の還元はできてしまったシミを漂白したり薄くしたりする作用があります。
さらにターンオーバーが促進されるとシミになってしまった部分の角質層をはがすことができ、徐々に薄く目立たなくすることが期待できます。
シミをどう改善したいのかによってどのタイプの化粧品を使ったらいいのか変わってくるので、まずはチェックしましょう。
基本的に多くの美白化粧品はシミを「消す」よりも「防ぐ」ことを目的として作られています。もちろん個々に効果の表れ方は違いますが確実に消すことを考える場合、化粧品に100%の効果を求めてしまうのは難しいかもしれません。
まずはシミを作らないためにもなぜシミになってしまうのかをチェックしてみましょう。
2.シミはなぜ出来る?
まずはなぜシミができるのかを、シミの役割やできてしまうメカニズムなどと一緒に見ていきましょう。
2-1.まずはメラニンとシミの役割のお話から
シミの正体はメラニンによるものです。美容の面からですとシミは悪者だととらえられがちですが、黒くすることで実はお肌を守っている頼もしい存在だと言えるでしょう。シミになってしまうのは紫外線からお肌を守るための日傘的な役割を果たすためです。
なぜ肌に日傘が必要なのかというと真皮層にある細胞の核は紫外線に当たってしまうとダメージ受け、死んでしまったり皮膚がんを引き起こしてしまったりするからなのです。
紫外線に当たると表皮層の一番下にある基底層のメラノサイトは、メラニン色素を作りだし、外側周辺にある表皮の角化細胞を黒くします。よってシミが作られてしまうのですが、これは言い方を変えるとお肌を守るために人間が備えている優秀な機能だと言えるでしょう。
2-2.シミができるメカニズム
メラニンは色素細胞ですがその中のひとつにチロシンがあります。チロシンは紫外線を浴びたときに発生するチロシナーゼという酵素によって化学反応を起こして徐々に変化し、やがてメラニンとなってしまうのです。
メラニンが沈着しできてしまったシミは通常ターンオーバーによって排出され消えていきます。しかし紫外線によって角化細胞に異常が起こると暴走し過剰にメラニンが作りだされてしまい、ターンオーバーで排出できずに残ってしまいます。
さらにターンオーバーの乱れもメラニン色素を排出できない原因のひとつになっています。他には加齢やホルモンバランスの崩れ・ストレス・肌への刺激なども関係してくるのでスキンケアだけでなく内側からのケアも必要になるでしょう。
2-3.シミができる場所
できる場所によってシミの種類は違ってきます。
またできる場所によってシミの原因も決まっている傾向があるので、ここではどのシミがどこにできやすいのかをチェックしましょう。
シミの種類 |
シミができる場所 |
主な原因 |
老人性色素斑 | 頬で位置が高いところ こめかみ | 紫外線 |
肝斑 | 額 頬骨 鼻の下で左右対称に出る | 女性ホルモンの関係 |
そばかす(雀卵斑) | 顔全体 | 遺伝 |
炎症後色素沈着 | 額 頬 あご | ニキビ跡 |
遅発性両側性太田母斑 | 額 目のまわり 頬 | 生まれつき |
脂漏性角化症 | 顔だけでなく全身 | シミの角化による |
シミの多くは頬にできやすいのですが、出来た位置や、左右対称になっているか、形、色などでどの種類のシミかが判断されます。
3.あなたに向いている美白成分って何?
シミができる場所によって原因と種類がわかります。よって自分のシミがどれに当てはまるのかをチェックすることで効果的な美白成分がわかると言えるでしょう。ここではあなたに向いている美白成分をチェックしていきます。
シミの種類 |
効果的な美白成分 |
老人性色素斑 | ビタミンC誘導体 アルブチン コウジ酸 ハイドロキノンなど |
肝斑 | トラネキサム酸 リノール酸S |
そばかす(雀卵斑) | ビタミンC誘導体 L-システイン |
炎症後色素沈着 | ビタミンC誘導体 フルーツ酸(AHA) アルブチンなど |
遅発性両側性太田母斑 | 真皮層レベルのシミなので皮膚科でのレーザー治療が効果的 |
脂漏性角化症 | 皮膚科などでのレーザーや液体窒素による除去治療が効果的 |
もっとも一般的なシミは老人性色素斑で化粧品の美白成分であるビタミンC誘導体、アルブチン、ハイドロキノン、コウジ酸などが効果があります。
肝斑にはトラネキサム酸がよく、特に内服薬での効果が高いです。
では次はシミに効果的な厚生労働省認可の美白成分についてご紹介していきます。
4.厚生労働省認可の美白成分
ではその厚生労働省認可の美白成分とは何なのでしょうか。
美白有効成分は「メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ」という表現をすることを厚生労働省より認められた成分です。それは実際に美白効果があることの証なのです。
- トラネキサム酸
チロシナーゼを分解しメラニンが作られるのを抑える作用がある。主に肝斑の治療に用いられる。 - ビタミンC誘導体
通常は皮膚に浸透するときに変質し届かなくなってしまうビタミンCを皮膚に浸透しやすくしたもの。メラニンが作られにくくする作用や薄くする作用がある。 - リノール酸S
ベニバナなどから抽出された成分。チロシナーゼを分解しメラニンが作られるのを抑える働きがある。さらにターンオーバーをサポートしメラニンの排出も促す作用も持つ。 - アルブチン
チロシナーゼの働きを抑えてメラニンが作られるのを抑える働きがある。チロシンとチロシナーゼの結合を阻害することによって作られるのを防ぐ作用を持つ。 - コウジ酸
発酵食品の製造過程に作られたコウジ菌が作り出す成分。チロシナーゼの活性を抑えてメラニンが作られるのを抑える働きがある。 - プラセンタエキス
動物の胎盤から抽出される成分。メラニンが作られるのを抑制し代謝をアップさせる働きがある。 - 4MSK(4-メトキシサリチル酸カリウム塩)
資生堂が開発した成分。チロシナーゼの活性を抑えメラニン生成を抑制する。また角化の乱れに作用して、蓄積されたメラニンを排出する働きがある。 - ニコチン酸アミド
ナイアシンアミドとも呼ばれているが水溶性のビタミンでもある成分。メラニンが表皮細胞に流れてしまうのを抑制、表面化を防ぐ働きがある。 - ルシノ―ル(4-n-ブチルレゾルシノール)
シベリアのモミの木から精製された成分。チロシンとチロシナーゼの結合を防いでメラニンの生成を阻害する働きがある。 - マグノリグナン
チロシナーゼの成熟を防ぐ作用があるため、メラニンの生成を阻害する働きがある。 - t-シクロアミノ酸誘導体
プロスタグランジという情報伝達物質を抑制する働きがある。 - カモミラET
カモミールから抽出された成分。エンドセリンという情報伝達物質を抑制する働きがある。 - ハイドロキノン
クリニックで処方される薬剤。厚生労働省では化粧品へのハイドロキノンの配合を2%以下にするように推奨されている。
5.美白化粧水と美白乳液の使い方
美白化粧水と乳液の効果を最大限に引き出すために効果的な使い方をしましょう。
5-1.化粧水と乳液の使い方
美白化粧水
美白化粧水は洗顔後の肌にたっぷりとなじませましょう。手に取るかコットンを使って肌に美白化粧水を浸透させていきます。美白成分の使用量が考慮されているので、使用書がすすめる量を肌にムラなく使うことが大切です。
時間がある場合はコットンか空のフェイスマスクに美白化粧水を浸透させてパックするとより効果的にケアできますよ。特に口元・目元におすすめです。その際は5分くらい放置するとうるおいを与えるのにベストでしょう。
美白乳液
化粧水の後は必ず美白乳液を使いましょう。適量をパーツごとに分けてつけていき、最終的にはパーツ全体になじませるようにして軽く伸ばしていきましょう。肌内部に浸透した化粧水の水分を逃さぬよう一時的に膜を張るイメージだと分かりやすいかもしれません。
乾燥が目立つ方は乳液の代わりにクリームにしてもかまいません。クリームは乳液に比べると保湿持続力が高いため、乾燥肌の方には最適でしょう。美白に乾燥は大敵なので自分に合ったものを使うのが正しい方法です。
5-2.美白化粧品を使う上での注意点
美白化粧品は医薬品のように作用が強くはないものの、美白成分によっては刺激があるものもあります。肌質によってはトラブルが起きやすくなってしまうこともあるので注意しましょう。まずは二の腕の裏を使ってパッチテストすることが大切です。
二の腕の裏はデリケートなのでもしパッチテストで問題がなければひとまずは顔に使ってもOKです。ただ大量に使わずに顔につけるときも少しずつ様子を見ながら使いましょう。またはじめて使うときは生理前のデリケートな時期は避けて使うのも快適に使うためにはかかせないので守ってくださいね。
6.シミは「消す」より「作らない」ようにするのが先決です
シミはできてしまうと消すのにやっかいです。美白化粧品で消えたり薄くなったりすることもありますが、ある程度時間が必要になってきます。よってシミはできてしまってから「消す」よりも「作らない」ようにするのが大切でしょう。そのためには紫外線対策と肌への摩擦を防ぐことが大切です。
6-1.紫外線対策
シミの原因は紫外線なのでまずはしっかりと対策しましょう。普段は日常日焼け止めを使ってしっかりガードすると効果的です。さらに帽子や日傘などを併用するとより強力に紫外線を防げるのでシミ対策ができますよ。レジャーのときはレジャー用日焼け止めと使い分けるとより効果的に紫外線を防いでシミ対策ができます。
6-2.肌への摩擦を防ぐ
肌への摩擦によってもメラニンを作り出してしまいシミになってしまうので注意しましょう。ダメージを受けると攻撃から肌を守るため角質を黒くしてしまうためシミができてしまいます。紫外線だけでなく肌の摩擦でもできてしまうので、スキンケアなどの刺激にも注意しましょう。
7.内側からの美白
外側からだけでなく肌の内側から美白へアプローチする方法もあります。ここでは4つの成分についてご紹介しましょう。これらの成分が含まれたサプリメントが美白にはおススメです。
- インドキノキ
インドキノキに含まれているプテロスチルベンという成分はメラニンが作られるのを抑制し、またチロシナーゼを阻害することでシミの発生を抑制します。 - アーティチョーク
アーティチョークに含まれるシナロピクリンがシミをつくる遺伝子の暴走を抑える働きがあります。
細胞試験ではチロシナーゼの発生や働きを抑えてくれるグルタチオンの産生を約2倍にし、メラニンを抑えシミの発生を抑制します。 - セラミド
肌のセラミドを充実させてバリア機能を高めるために、肌のうるおいを保ちます。紫外線による赤みが静まりやすくなります。 - イチゴ種子エキス
メラニンが作られるのを制御してくれる酵素を増やして、シミの発生を抑制します。
まとめ
シミやくすみをなくすためには、まずはシミができてしまうメカニズムを知る必要があります。また化粧品を使えば軽減させられるので正しい使い方などもご紹介してきました。セルフケアでも薄くしたり消したりすることは可能なので、正しくケアして若々しい肌をめざしていきましょう。