ゼラチンとコラーゲンの違いってなんでしょうか。
同じ原料から作られている?というようなことを聞いたことがあります。
同じものなら安い方を食べたらいいの?と疑問がわいてきます。
ゼラチンとコラーゲンの違いについて調べてみました。
1.コラーゲンとゼラチンとコラーゲンペプチドの違い
図をご覧ください。ゼラチンはコラーゲンからできています。
コラーゲンは動物や魚の皮・骨に含まれていてそれを分解したものがゼラチンです。
原材料は豚の皮、魚の皮、鱗、鶏などからつくられています。
つまり、まとめると
・ ゼラチンはコラーゲンを分解したものです。
また
・ 健康食品に含まれているコラーゲンはゼラチンをさらに分解したもので、正確にはコラーゲンペプチドと呼ばれます。
お分かりでしょうか。
大きさは コラーゲン>ゼラチン>コラーゲンペプチドという順になります。
原料は同じですが繋がり方、大きさが違うので、性質が変化します。
それぞれの特徴を見て行きましょう。
1-1.コラーゲン
コラーゲンは動物や魚の皮・骨に含まれています。
他のたんぱく質とは違い3重のらせんを組み合わせた長細い線維状なのが特徴です。
それらが網の目のように重なり合っています。3本鎖をあわせた分子量は30万ほどあります。
豚足や鶏手羽を煮ると煮こごりができますが、それはこのコラーゲンが溶け出たものです。
写真はふぐの皮からとった煮こごりです。プルンと弾力があります。
煮こごりは常温でも固まりますが、冷やした方が早く弾力が増します。
1-2.ゼラチン
熱で抽出したコラーゲンから不純物を取り除きキレイに精製したものがゼラチンです。
分子量は10万ほどになっています。
お菓子のゼリーの素はゼラチンを粉末にしたものです。
温水に溶け、約15℃~20℃で固まります。ゼラチンが固まる理由は、温水でいったんほどけた3重らせん構造が冷えるともう一度繋がろうとするからです。
完全に固まるまでには10℃以下の冷却で8~18時間ほどかかります。
工業製品としてはカメラのフィルムや墨、人工皮革、接着剤などに使われています。
日本工業規格 「JIS K 6503 にかわ及びゼラチン」によってゼラチンの固まる強さの規格が示されています。
http://kikakurui.com/k6/K6503-2001-01.html
1-3.コラーゲンペプチド
ゼラチンを酵素分解でさらに細かくしたものがコラーゲンペプチドです。
食品や飲料に使用されます。健康食品に使用されているのはほとんどコラーゲンペプチドです。
コラーゲンペプチドは水に溶け、15℃以下でも固まりません。
ゼラチンよりも小さく分解され、分子量は数百~数千と人の体に吸収されやすくなっています。
人の肌、軟骨などへの研究はほとんどがこのコラーゲンペプチドをつかって行われ、有効な結果が出ています。
1-4.アミノ酸
コラーゲンペプチドをアミノ酸にまで分解すると、18種類のアミノ酸によって構成されていることがわかります。アミノ酸は全部で20種類しかなく、そのうちの18種類が含まれています。
必須アミノ酸も9つのうち、トリプトファンを除く8つが含まれています。
NHKの誤り
NHKためしてガッテンでゼラチンを食べてもコラーゲンと同等の効果が得られるかのように放送されましたが、ゼラチンでは上記のようなエビデンスは得られておらず、誤った情報が放送されました。コラーゲンを作る際にゼラチンからコラーゲンペプチドを得るのですが、必ずしも上質なコラーゲンペプチドを得られるわけではなく、ゼラチンの品質によってもコラーゲンペプチドの出来上がりが変わります。ゼラチンでさえ品質の良し悪しがあり、そこから得られるコラーゲンペプチドも良し悪しがあるので、そこを再認識する必要があります。
まとめ
コラーゲンとゼラチンはもとの原料は同じということがわかりました。
違いはその形状や性質です。
お肌のために飲むのなら専用に吸収されやすく作られたコラーゲンペプチドをオススメします。人体への有効性の研究もほとんどがコラーゲンペプチドをつかってされているからです。