盛り上がったシミの正体って?老人性色素斑の予防と治療方法

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年を重ねるといろいろな肌トラブルが表面化してきますが、ただのシミではなく、ぷくっと盛り上がりのあるシミができ始めるのもこの頃。「もしかして、悪性腫瘍?」と気になってしまいますが、ほとんどの場合、老化によってできる良性のイボです。主な原因や予防法、治療方法について説明するので、ぜひ参考にしてみてください。



1. 盛り上がったシミの正体とは?

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このシミの正体は「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」と呼ばれるもの。またの名を「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも言い、40代を過ぎる頃からできやすくなるイボです。20~30代の若い人にも見られることがあります。

でき始めは1~2㎜の小さく膨らんだイボなのですが、日が経つにつれてだんだん大きくなるのが特徴。一見ほくろのようにも見えますが、脂漏性角化症の場合は指で表面を削るとボロボロ削れます。

体中どこにでもできますが、特に紫外線の当たりやすい顔や首、背中、胸元、手の甲などの部位には頻発しやすい傾向があります。
同じく年齢を重ねることで発生する「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」が同時にできるケースも多いです。老人性色素斑は膨らみがなく、境目のハッキリとしたシミです。

2. 脂漏性角化症の治療方法

脂漏性角化症は化粧品やエステで治すことができないので、取りたい場合は皮膚科や美容外科を受診します。放っておくと大きくなるし、数も増えてしまいますが、小さいうちに取ってしまえばキレイに治るので、見た目が気になる人は早めに病院へ行きましょう。

2-1.脂漏性角化症の診断方法

 

専門医は目視だけで判断することもできますが、少しでも悪性腫瘍の疑いがある場合は「ダーモスコピー検査」を行います。これは皮膚の表面を10~30倍ぐらいに拡大できる「ダーモスコープ」というルーペを使い、皮膚のメラニン色素や細かな血管の状態を観察するもの。ゼリーや偏光フィルターが皮膚の表面に当たった光の乱反射を防ぐので、より正確な診断をすることができるのです。
それでも判断がつかない場合は、患部を少し切り取り、病理検査をすることもあります。
検査の結果、やはり脂漏性角化症であることが分かった時には、主に次のような治療を行います。(料金については、必ず事前に確認してください)

2-2.液体窒素による冷凍凝固法

液体窒素による冷凍凝固の画像

脂漏性角化症が気になる部分へ、液体窒素に浸した綿棒を押し当てて凍結させる治療法です。治療後は1~2週間でかさぶたになり、自然にぽろっと剥がれ落ちます。
麻酔をする必要がなく、ダウンタイムもほとんどありませんが、1度の治療では効果が出にくいので、何度か通院して繰り返し治療を受けるケースが一般的。また、治療の跡が残る可能性があるので、顔以外の部分に適した治療法です。

治療には健康保険を使うことができ、だいたい1回あたり600円前後が料金の目安。ただし、病変の数によって料金も変動するので、事前に確認をしてください。

2-3.電気メスによる切除

電気メスの画像

電気メスを使い、肌組織のごく浅い部分を切り取る治療法です。直接切除を行うので、熟練したドクターの腕が必要。施設選びは、くれぐれも慎重に行ってください! 皮膚を削る部分が浅いので、治療後は2~3週間で目立たなくなります。

治療にかかる費用は1㎜あたり3,000~10,000円程度が目安で、健康保険が適用されます。
ただし、医師が「美容目的の治療である」と判断した場合は自費診療となるので、事前によく相談しておきましょう。
また、局所麻酔を使った場合は、そのための費用(クリームタイプで1,000円ぐらい)も必要となるので、覚えておいてください。

2-4.炭酸ガスレーザーによる切除

炭酸ガスレーザーの画像

水に反応する特徴を持つレーザー光を患部に当て、熱エネルギーを発生させて患部の組織を蒸散させる治療法。局所麻酔を行うので痛みが気にならず、1度の治療でキレイに取れるというメリットがあります。治療後は1週間程度のダウンタイムがありますが、跡が残る心配はほとんどありません。

ただ、残念ながら健康保険は使えず、全額自己負担となります。料金の目安は1㎜あたり1,000~3,000円前後。自費診療なので、施設によって料金にはかなりの差があります。また、麻酔を使う場合はそのための費用も必要です。

2-5.外科手術による切除

手術の画像

脂漏性角化症が大きく、レーザーや液体窒素では対応しきれない場合は、金属メスを使って直接患部を切除することもあります。切り取る部分はごく浅いので、電気メスを使う場合と同じように2~3週間程度で目立たなくなるケースが大半です。

治療費には健康保険が適用され、料金の目安は1㎜あたり6,000円前後。ただし、この場合も医師が「美容目的」と判断すれば全額自己負担となります。

3. 脂漏性角化症の原因

紫外線の画像

脂漏性角化症は、主に紫外線によって引き起こされます。若いうちはターンオーバーのサイクルが正常なのでメラニンもどんどん排出されるのですが、年齢を重ねるとだんだんターンオーバーのサイクルが乱れてくるので、メラニンが蓄積され、それが脂漏性角化症となって出てくるのです。
そのため、紫外線を浴びる機会の多い人は、そうじゃない人に比べて脂漏性角化症の出てくる年齢が早くなる傾向があります。

また「光老化」による影響も見逃せません。これは一般的な老化とはまた別のもので、長い間紫外線を浴び続けてきたために皮膚が厚くなったり、色が濃くなったりすること。なんと、老化の原因の80%を占めるとも言われています。
光老化が進むと角質が厚くなるので、それが脂漏性角化症につながっていきます。

そして、遺伝の問題です。脂漏性角化症ができやすい人は、その親や祖父母などにも同様の特徴がみられるケースが多く、比較的若いうちから発症することも珍しくありません。

3-1.脂漏性角化症のセルフチェック

鏡をみる女性の画像

脂漏性角化症はほくろや他のイボとの区別がつきにくいですが、次のような特徴があるのでチェックしてみましょう。

  • 触ると少し皮膚から盛り上がっている(もしくは、平たかったシミがだんだん盛り上がってきた)
  • 40歳ぐらいからでき始めた
  • 化粧品やエステでお手入れをしても効果がみられない
  • 指で表面を削るとぼろぼろ崩れる
  • かゆみがある(全くない場合もあります)
  • 紫外線の当たりやすい場所(顔、首、背中、胸元、手の甲など)に集中している
  • 放っておいたらだんだん大きくなり、数も増えてきた
  • 形は円形や楕円形

※ただし、これらの特徴に当てはまっても、必ずしも脂漏性角化症であるとは限りません。稀に悪性腫瘍の場合もあるので、不安な時は専門医の診察を受けましょう。

4. 脂漏性角化症を予防するために気を付けたいこと

脂漏性角化症は紫外線によってできるものなので、予防のためには十分なUV対策や適切なスキンケアが必要です。また、規則正しい生活を送ることも重要! 次のポイントを意識して、すべすべの素肌を保ちましょう。

4-1.紫外線対策

日傘の画像

「UVケア」というと真夏だけ気を付ければ良いというイメージがありますが、紫外線は天気や季節に関係なく地上に降り注いでいるので、日焼け止めは365日必要です。室内にもカーテンやガラスを通過した紫外線が入り込むので、日中は必ず塗っておくようにしましょう。
尚、汗をかくと落ちてしまうので、持ち歩いてこまめに塗り直してください。

しかし、紫外線対策はこれで十分ではありません。日焼け止めは欠かせないものですが決して万能というわけではなく、うっかり塗り忘れた場所があったり、量が足りていなかったりして、ガードしきれない場合も多いのです。
近頃では飲むタイプの日焼け止めもいろいろと出てきているので、そうしたものを併用するのも一つの方法でしょう。さらに、日傘やアームカバーなども組み合わせればより効果的です。

そして、意外と盲点なのが目。一見紫外線対策とは何の関係もないように思えますが、目から紫外線が入り込むと脳に「メラニンを作れ」という指令が出されるため、せっかく日焼け止めなどでガードしていても効果が半減してしまうのです。
日本人にはあまり街でサングラスをかける習慣がありませんが、車の運転時だけでなく、普段の外出時にもできるだけ使ってください。サングラスに抵抗がある場合は、UVカットガラスを使ったメガネをかけるという方法もあります。

4-2.肌の保湿

化粧水の使用の画像

角質層に水分が足りず、肌が乾燥すると、バリア機能が衰えて紫外線の影響を受けやすくなります。また、ターンオーバーも滞りやすくなるため、古い角質やメラニンがたまりやすくなるのです。

毎日の洗顔やクレジングで汚れをしっかり落とすのはもちろん、化粧水や乳液を使って水分と油分を与えることも欠かさないようにしましょう。その際、セラミドやヒアルロン酸のような保湿成分を含む化粧品を使うと効果的です。
また、ビタミンC誘導体を配合した化粧品もオススメ! 肌の奥まで浸透してコラーゲンの生成を促す他、できてしまったメラニンを還元する作用もあるので、脂漏性角化症対策にはもってこいです。

4-3.生活習慣を整える

食材の画像

肌のターンオーバーに必要な成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。特に入眠後3~4時間が最も重要なので、できるだけまとまった睡眠がとれるようにしましょう。
そして、食生活です。昔から「美肌づくりにはビタミン」とよく言われていますが、たんぱく質やアミノ酸などの栄養素もバランスよく摂ることが大切。栄養素は単体で働くのではなく、相互に助け合って力を発揮しているので、肉、魚、野菜、卵、乳製品、海藻類、豆類、果物などを偏りのないように取り入れていきましょう。

また、現代人にありがちな運動不足も脂漏性角化症の予防には欠かせません。体を動かして血液循環を良くすると、肌細胞の生まれ変わりに必要な酸素や栄養素がきちんと運ばれるようになります。
さらに、適度な運動をすることでストレスが解消でき、ホルモンバランスの安定につながるというメリットも。コラーゲンの生成にはエストロゲンが深く関わっているので、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。

まとめ

いかがでしたか? 40歳以上になると発症の確率がぐんと上がってしまう脂漏性角化症も、毎日のスキンケアや生活習慣に気を配ることによって、ある程度予防することはできます。特にできやすい体質が遺伝している人は20~30代でも発症する可能性があるので、十分に気を付けてください。できてしまったものは、大きくなったり、数が増えたりする前に皮膚科で処置を受けると、跡を残さずキレイに治すことができます。

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