
厚生労働省が行った調査によると、女性の喫煙者の割合は10人に1人ほどです。しかし、世間ではタバコを吸うことをよく思わない人も多いことから、相手にどう見られているか気になったり、喫煙者だと知られたくない場合もあります。
ここではタバコを吸っている人が知らないうちに行う特徴を上げて他人にどう映っているかを解説します。あわせて禁煙方法について紹介します。
1.タバコを吸っている人の割合
厚生労働省が行った調査によると、平成26年度の日本国内における女性喫煙者の割合は、20~29歳で11.8%、30~39歳で14.2%、40~49歳で12.8%、50~59歳で12.2%、60~69歳で6.3%、70歳以上では2.5%となっています。
平均すると、約8.5%の女性はタバコを吸っているということになります。
表.平成26年度の日本国内における女性喫煙者の割合
年齢 | 20~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | 平均 |
喫煙率 | 11.8% | 14.2% | 12.8% | 12.2% | 6.3% | 2.5% | 8.5% |
成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査))より引用
出典:http://www.health-net.or.jp/tobacco/product/pd100000.html
2.タバコを吸っている人の特徴
本人はうまくごまかしているつもりでも、他人から見ると「バレバレ」ということも多くあります。
喫煙者には次のような特徴が出やすいので、自分自身を振り返ってみましょう。
2-1.タバコの臭いがする
吸っている本人は慣れてしまっているので分かりにくいのですが、タバコを吸う人からはかなりきつい臭いがします。
煙が髪や洋服に染みつくので、お風呂に入ったり、洗濯したりしない限り、臭いはとれません。
タバコの臭いが苦手な人からは、気づかないうちにひんしゅくを買っているので気を付けましょう。
<対応策>
髪の毛につく臭いは、あらかじめ嫌な臭いをカットする機能のあるスプレーをかけておくと効果的です。
また、ドライヤーが使える環境であれば、風で臭い分子を吹き飛ばすことで、ある程度軽減させることができます。
洋服についた臭いも、ドライヤーで吹き飛ばす方法が有効です。
他には、アイロンのスチームを当てたり、湿気のこもった浴室に一晩吊るしたりしておくのも効果的。
近頃では消臭機能付きの洋服もいろいろ出ているので、そうしたものを着ていくのも良いです。
口臭はタバコを吸った後に歯磨きして防ぎます。
2-2.食事の後、落ち着かずソワソワする
タバコを吸う人の楽しみといえば、食後の一服。
そのため、食後すぐにタバコが吸えない状態に置かれてしまうと、ソワソワして体が落ち着かなくなるのです。
喫煙者だということを隠していても、心ここにあらずといった態度や、喫煙場所を探してスーッといなくなるなどの行動でバレていますよ!
<対応策>
タバコを吸う人の脳内では「食後の一服→満足感が得られる」という図式が出来上がってしまっており、その際にドーパミンが放出されます。
そのため、吸ってはいけないと思っていても、快楽に負けてついタバコに手が伸びてしまうのですね。
対策としては、食後にガムを噛んで気を紛らわせる、タバコの代わりにデザートを食べる、我慢できたらご褒美に好きなものを1つだけ買うなどの方法がおすすめ。
タバコから気をそらすことで、吸いたい気持ちを抑えるのです。また、喫煙場所に近づかないことも大切です。
2-3.喫煙者同士の一体感がある
職場の休憩時間や、デパート、駅などの喫煙スペースで和む人たちを見ていると、喫煙者独特の一体感があります。
近頃では「禁煙するべき」「タバコの煙は迷惑」という風潮があるせいか特にそうした感じが強く、タバコが吸えたことにほっとする空気が漂っているのです。
<対応策>
喫煙者同士では、タバコを吸うことで気持ちが落ち着いたり、親近感を感じやすくなったりするので、仕事や人間関係の面でプラスに働く場合も少なくありません。
そういうこともあって、つい「私も……」とふらふら近づきたくなってしまうのですが、そんなことをしたらさすがにバレバレ。
人に見られず喫煙できるスペースを探しておきましょう。
2-4.部屋が黄ばんでいる
タバコに含まれるヤニ(タール)が空気中に散らばるので、喫煙者の部屋はカーテンや壁紙が黄ばみやすくなります。
また、臭いもしっかり染みつくので、吸わない人もすぐに「この人はここでタバコを吸っているのだな」と気づいてしまうでしょう。
賃貸であれば、退去時にクリーニング代を請求される可能性が高いので、お金の面でも部屋の黄ばみはできるだけ防ぎたいところです。
<対応策>
隣人に迷惑がかからない環境であれば、ベランダや庭に出て吸うのがおすすめ。
ただし、吸い殻から火事になる可能性があるので、後始末はきちんとしておきましょう。
部屋の中でしか吸えないという場合は、換気扇の下で吸ったり、空気清浄機を置いたりといった工夫をすれば、少しは防ぐことができます。
また、通常よりちょっと多めに部屋の拭き掃除をして、ヤニ汚れがこびりつく前に取り除いてしまうと良いでしょう。
長く放置したヤニは固まってなかなか取れないし、拭いてもムラになってしまうので、早め早めの対策が大切です。
壁の掃除方法
- 40度ぐらいのお湯に溶かした重曹をスプレーボトルに入れ、汚れの気になるところに吹きかけてスポンジや雑巾でこする。
- 市販のアルカリ性洗剤をスポンジにつけてこする。アルカリ性の洗剤には、ヤニの油分を緩める効果がある。
- オレンジ系の洗剤を水で薄め、汚れの気になるところに吹きかけてこする。なかなか落ちない場合はメラミンスポンジを使うと良い。(一部、メラミンスポンジが使えない壁紙もあるので要確認)
カーテンを洗う方法(ブラシでほこりを払い、フックを外してから行ってください)
カーテンのタグに洗濯機のマークや手洗いのマークが付いていれば、自宅で洗うことができます。
水洗い不可のマークが付いているものは洗えないので、クリーニングに出しましょう。
自宅で洗えるものについては、次のような洗濯方法があります。
- 洗濯機の「つけおきコース」を使い、漂白剤を溶かした水の中にカーテンを漬け込んでから洗う。
- 30度くらいのお湯に重曹と中性洗剤を溶かし、その中にカーテンを漬け込んで30分ぐらいおく。
洗剤が十分に染み込んだら手で押し洗いをし、流水で軽くすすいでから洗濯機に入れて洗う。
2-5.肌がカサカサしてくすんでいる
タバコを吸う人の肌は「スモーカーズ・フェイス」と呼ばれ、吸わない人に比べると老化が早くなる傾向があります。
具体的な特徴を挙げていくので、鏡で自分の肌をチェックしてみましょう。
<肌がカサカサしている>
タバコを1本吸うと、レモン1/2個分のビタミンCが失われるってご存知でしたか?
ビタミンCは真皮層のコラーゲン生成に深く関わっているので、保湿成分が分泌されにくくなって肌が乾燥してしまいます。
<肌色がくすんでいる>
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるので、肌細胞の生まれ変わりに必要な酸素や栄養素が届きにくくなり、ターンオーバーのサイクルが乱れて色素沈着しやすくなります。
唇の黒ずみもニコチンによるものですが、ターンオーバーのサイクルが早い部位なので、禁煙をすると早く元の色に戻る場合が多いです。
<くまが目立つ>
タバコによる血管の収縮、そして一酸化炭素の発生による酸素不足で、目の下の青くまが目立ちやすくなります。
青くまがあると不健康そうに見えるので、恋愛や仕事の面でマイナス!
メイクでうまく隠せる方法を会得しましょう。
3. タバコをやめる方法
3-1.禁煙外来を受診する
タバコの害が広く知れ渡るにしたがって、禁煙外来を設けるクリニックも増えてきました。
一般的に、次のような流れで治療を進めていくことが多いです。
<ニコチン依存度のチェック>
「予定していた本数よりも多く吸ってしまうことがある」「本数を減らした時、イライラなどの症状が出る」「タバコが吸えないような付き合いを避けることがある」などの質問に答え、自分がどれぐらいニコチンに依存しているかのチェックを受けます。
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<息の中に含まれる一酸化炭素濃度の測定>
マウスピースを使って息を送り込み、その中にどの程度の一酸化炭素が含まれているかを測定します。
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<喫煙の怖さや治療方法などについての説明を受ける>
DVDやリーフレットなどを使い、喫煙によって心身に生じる弊害や具体的な治療の仕方についての説明を受けます。
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<禁煙宣言書へのサイン>
現在の状態を明らかにしながら医師とのカウンセリングを行い、どのタイミングで禁煙を開始するかを決定して「禁煙宣言書」にサインをします。
はっきりと意思表示をすることにより、モチベーションをアップさせたり、逃げ道を絶ったりするのが狙い。
無事に治療を終え、タバコをやめることができれば「卒煙証書」がもらえるので頑張りましょう。
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<治療開始>
ニコチンパッチ(高濃度のニコチンを粘着層や支持体で包みこんだものを皮膚に貼り、少しずつニコチンを放出させて血中濃度を保つ薬剤)や、ニコチンガム(離脱症状が出た時に噛むことでニコチンを補給し、タバコが吸いたい気持ちを抑える医薬品)を使い、禁煙を始めます。
最初から成功する人ばかりでなく「やっぱり本物がいい!」とタバコを吸ってしまう人もいますが、医師はそうした展開を予測済みなので正直に打ち明けて治療を続けましょう。
初日から約2週間後に再びクリニックを訪れ、一酸化炭素の濃度を測定し、カウンセリングを受けます。
その後は、約1ヶ月に1度のペースでクリニックに通いながら治療を継続していきますが、不安なことや疑問点があれば遠慮なく医師に相談しましょう。
およそ3ヶ月間の治療を行い、禁煙が成功していればめでたく終了です。
禁煙治療を保険で受けるための条件
禁煙外来による治療を保険で受けられるのは、次の4つの条件を満たしている場合です。
- ニコチン依存症チェックで点数が5点以上だった
- 35歳以上の人で、1日の平均喫煙本数にこれまでの喫煙年数をかけた数字が200を超える
- 今すぐに禁煙を始めるという強い意志がある
- 禁煙治療を受けることについて、正式に文書で同意を示している
※入院している間は保険を使った禁煙外来の治療は受けられません
※自由診療のみのクリニックもあります
※2度めの治療が保険を使った治療から1年未満の場合は自由診療となります
※ニコチンガムと、一部のニコチンパッチには保険が適用されません
3-2.ニコチンガムを噛む
ニコチンガムは、通販や薬局で購入することもできます。
禁煙外来での治療には保険を使っても3ヶ月で13,000~20,000円ぐらいの費用がかかるので、自分の意志で禁煙ができそうな人はニコチンガムだけで頑張ってみるのも一つの方法ですね。
「ニコレット」や「ニコチネル」などの種類がありますが、値段は1粒あたり30~70円ぐらいです。
3-3.タバコをやめる薬を使う
ニコチンパッチやニコチンガムは体の中にニコチンを補充してしまうので、これが気になる場合は飲み薬を使う方法もあります。
ニコチン受容体に結合することで少量のドーパミンを放出させ、満足感を与えてイライラなどの離脱症状を緩和させる仕組み。
ニコチンの作用を妨げるので、タバコを吸ってもおいしく感じなくなるというメリットもあります。
条件を満たしている人なら保険で処方してもらえるので、医師に相談してみましょう。
まとめ
タバコを吸っている人がどう見られているかや、タバコを吸っていることを見破られないための対処法、そして禁煙の仕方について説明しました。
喫煙者だと相手に知られたくないということもありますが、たばこをやめる方法の項を参照して禁煙にトライしてみましょう。