洗顔後のスキンケアは化粧水だけを使っているという方は少なくありません。しかし、肌のことを考えるなら洗顔後は化粧水だけでなく乳液をきちんと使用するべきです。
なぜ化粧水だけではだめなのか、乳液の必要性とは何なのかを知ると使いたくなります。
今回は乳液の役割や選び方などをご紹介します。
1.化粧水だけでもの足りないと感じたら
洗顔後のスキンケアは化粧水だけで十分だと思っていたけれど、最近は乾燥が気になる…。化粧水だけでは物足りないと感じているのなら、それは乳液を使っていないことが原因かもしれません。
そもそも、化粧水だけの保湿力では十分でない場合が多いのです。特に乾燥が気になり始めるいわゆる「お肌の曲がり角」となる年代を過ぎると、化粧水だけでは十分に保湿できない可能性が高くなります。
しっかり保湿をするには乳液の力が必要となります。
まずは乳液と化粧水の違いを知っておきましょう。
2.化粧水と乳液の違い
化粧水と乳液はどのように違いがあるのか、まずはそれぞれの特徴について理解しておきましょう。
化粧水 | 乳液 |
液状 | 乳状 |
洗顔後に使う | 化粧水か化粧液の後に使う |
肌の水分補給をする | 角質層の水分を逃さないようにする |
角質を整える | 保湿成分を浸透しやすくさせる |
化粧水と乳液は、そもそもの目的が違います。化粧水は洗顔後の水分が蒸発しやすくなっている肌に水分を与えるためのアイテムです。角質を整えて美容成分を浸透しやすくさせるという働きもあります。
乳液は、化粧水により保湿した肌につけ、水分を逃さないようにカバーするためのものです。本来は皮脂が分泌されてその役割を果たすのですが、洗顔後化粧水をつけた段階ではまだ皮脂が分泌されていません。そのため、化粧水のみでは水分がすぐ蒸発してしまい、保湿効果が失われてしまいます。
しかし乳液をつけて保護することで、化粧水で補った水分をしっかりと肌にとどめることができるのです。乳液の効果は1時間ほどでなくなってしまいますが、そのあとは皮脂が分泌されるので問題ありません。
また、乳液は化粧水でつけた保湿成分が肌に浸透しやすいようにするという役割を持っています。化粧水の役割を十分に発揮させるためには欠かせないアイテムということです。
子供や10代の若い肌であれば、化粧水の保湿だけで十分です。しかし年齢を重ねるとどうしても乾燥しやすくなり、乳液で保護しなければすぐに肌が乾いてしまうのです。そのため大人になればスキンケアの基本として化粧水と乳液のセットが欠かせないものとなっています。
3.乳液の種類と効果
乳液の必要性がわかったら、乳液の種類とその効果について知っておきましょう。乳液は保湿成分を保護するためのものと説明しましたが、含まれている成分によってはそれ以外の効果が期待できるものもあります。
1つの乳液を使うのではなく、朝用と夜用に使い分ける、季節に合わせて使い分けるといい場合もあります。
乳液の特徴を知っておきましょう。
3-1.保湿するための乳液
一般的な乳液のことを「保湿乳液」と呼びます。
化粧水で補った水分を肌にとどめるために使います。この乳液自体に保湿成分が含まれていることも多く、更なる高い保湿効果を得ることができます。
特に乾燥が気になっている方や、通常の化粧水と乳液だけでは十分に保湿ができていないと感じる方は、セラミドやヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなど高い保湿効果のある成分が含まれているものを選ぶようにしましょう。
保湿成分が含まれている乳液なので、乳液のみで保湿できると考えている方も多いようですが、化粧水で肌を整える・水分を与えるというプロセスを飛ばしてしまうと保湿効果は低くなってしまいます。浸透力も低くなってしまうため、化粧水は乳液の前に使うことを守りましょう。
保湿乳液は保湿力に特化しているので、夜寝る前のスキンケアに適しています。もし化粧水のみしか使っていない場合は、乳液を使ってから寝ると朝起きたときの肌に変化を感じるでしょう。
出典:花王 ソフィーナ ボーテ
高保湿乳液<しっとり/とてもしっとり>各60g 本体価格3,200円
出典:資生堂 エリクシール
クリアエマルジョン C<I/II/III>130mL 本体価格4,500円
3-2.UVのための乳液
いわゆる「紫外線対策」をするための役割を持つ乳液のことを「UV乳液」といいます。シミやそばかす、くすみなどを予防・改善するために役立つ美白成分が含まれていて、使うことで美白を目指すことができます。
紫外線から肌を守る役割がUVカット効果のみが備わっている乳液もありますし、美白と紫外線カット両方の役割を持つ乳液もあります。UVカット効果のある乳液は日焼け止めでスキンケアができると考えておくといいでしょう。朝のスキンケアの際に使用すれば、日焼け止めを塗る工程を省くことができます。
多くの場合、日焼け止めと同じようにSPFやPAの表示が付けられています。最近はSPF値やPAの多い乳液も非常に増えていて、通常の日焼け止めと変わらない効果を期待できるものが多くなっています。
出典:ロクシタン レーヌブランシュ
ブライトUVシールド SPF50/PA++++ 30mL 本体価格5,500円
出典:ポーラ ホワイティシモ
薬用UV プロテクター ブライト SPF20/PA++ 50mL 本体価格4,500円
4.乳液のつけ方
基本的には「手」「コットン」のどちらかを利用することになります。油分が多めのクリームタイプの乳液なら手で付けるほうがいいと言われています。乳状というよりも液状に近いサラサラしたタイプの乳液なら、コットンが適しています。
4-1.乳液の基本的な使い方
化粧水が肌に馴染むのを待ちます。約1分ほど待てばいいでしょう。
手で付ける場合は手の平に適量をとり、手のひらを合わせて手の上で乳液を温めます。そのあと頬・額・アゴに分けて乳液を付け、内側から外側に向かって乳液を伸ばしていきます。手で付けると塗りムラができてしまうことがあります。乳液の効果をあまり実感できない場合はコットンで付ける方法に変えてみるのもいいでしょう。
コットンの場合は1分ほど化粧水がなじむまで待ち、適量をコットンに取ります。そして顔全体に内側から外側に向かって優しく乳液を伸ばしていきます。敏感肌の方はコットンが肌に刺激を与えてしまうことがあるので、コットンを一度水に軽く浸し、しっかり絞ってから乳液を付けるという方法もあります。刺激が気になる場合は手でつける方法に変えましょう。
4-2.スキンケアの順番
基本的には
- クレンジング
- 洗顔
- 化粧水
- 美容液
- 乳液
- クリーム
という順番が良いと言われています。正しい順番を守らずにスキンケアをすると効果が半減してしまうこともあります。
化粧水の後に乳液。というのも一般的な順番ですが、これは美容液を使わない場合の順番です。美容液に「化粧水の後に使ってください」と書かれているなら、乳液は美容液の後につけましょう。
また、化粧品の種類によっては乳液を先に使うことを勧めているものもあります。メーカーによっては同じ乳液でも役割が違うこともあるので使用する際はパッケージの裏に記載されている使用方法をチェックしておくことを忘れないようにしましょう。
5.こんな人は乳液を使うべき!
乳液はスキンケアの基本として必ず使ったほうがいいアイテムです。特に使ったほうがいいという方や、こんなことを感じたら使い始めたほうがいい!という目安をご紹介します。
5-1.基本は肌質に関係なくつける
脂性肌・オイリー肌と呼ばれる油分が多い肌質の場合は、べたつくので乳液を使わないという方も少なくないでしょう。しかし、乳液は肌質に関係なく使ったほうがいアイテムです。
何故なら乳液を付けなければ肌の乾燥が進んでしまうからです。乾燥が進むと肌は「油分が不足している」と判断し、皮脂を今まで以上に過剰分泌してしまいます。そのため、脂性肌・オイリー肌ならそれが悪化してしまうということです。
脂性肌・オイリー肌の場合は、油分が多くて気になる部分には付ける量を控えめにする・さっぱりした使い心地でべたつかない乳液を使うなどの工夫をしてみましょう。
5-3.ニキビ肌でも乳液は必要
ニキビ肌には乳液の油分は必要ない、使うと悪化してしまうと一部で言われていますが、これは間違った考え方です。ニキビケアの基本は保湿です。もちろん、油分を与えすぎるのはよくありませんが乳液を使わず、乾燥してしまうとニキビに良くありません。
べたつきの少ない乳液を使う、あまりたっぷり塗り過ぎないという注意は必要ですがニキビ肌でもちゃんと乳液を使いましょう。
5-2.乾燥が気になり始めたら使う
若いうちは化粧水だけでも十分に保湿ができますが、年齢を重ねることでコラーゲン・ヒアルロン酸などの肌本来の保湿力が低くなってしまい、乾燥が気になり始めることがあります。
その場合は、化粧水だけでは十分な保湿ができないことがあります。やはり保護をする・保湿成分を肌に浸透させる役割を持つ乳液を使用し、乾燥をしっかり防ぐことが必要になります。
まとめ
乳液の必要性や選び方、使い方など基本的な乳液の知識をご紹介しました。今まで乳液を使っていなかったという方はこれを機に正しいスキンケア方法を行っていきましょう。放っておけば乾燥が進み、シミやシワの原因になったり、肌荒れが起きたりといった肌トラブルが起きてしまうことが考えられます。保湿は肌ケアの基本でありながら最も需要なポイントなのです。
乳液の選び方や使い方は人によって合う方法もあれば合わない方法もあります。自分に合った乳液を選び、乾燥知らずの肌を目指しましょう。