普段なら聞き流せることが聞き流せられなかったり、些細なことでも突然怒ってしまったりするのが更年期のひとつの症状であるイライラです。
今まで笑って見過ごすことができたのにそれができないと後で自己嫌悪に陥ったりもします。つらいですね。
今回は更年期にイライラが起こる原因と対策についてまとめてみました。
1.更年期のイライラの原因
更年期になると卵巣の機能が低下して、女性ホルモンの分泌が少なくなり、自律神経の乱れが生じます。これが心身の不調となる原因です。
決してあなたが悪い訳ではなく、誰もが通る人生のなかの更年期というステージだと思ってください。
心とホルモンは非常に密接に関係していて、気分を明るくする働きのあるエストロゲンが減少することでイライラしたり、不安になったりしています。あなたの体に感情がコントロールされているのです。
2.PMSのイライラとの違い
同じく気持ちがイライラする似た症状でPMSがあります。
生理の2週間前から始まる体温の高い期間は黄体期と呼ばれて、プロゲステロンが多く分泌されます。この期間に起こる心と体の不調はPMS(Premenstrual Syndrome)と呼ばれていて更年期障害のイライラとは違うものです。
見分け方は今までと同じに生理が順調に来ているのであればPMSであり、生理周期が乱れていたり、生理が止まっていてイライラするのは更年期が原因です。
3.更年期のイライラを鎮める方法
更年期のイライラを鎮める方法をご紹介します。
更年期のイライラは女性ホルモンが減少することによる自律神経の乱れが原因ですから、女性ホルモンを補うか、自律神経が安定すればイライラも自然となくなります。
3-1.更年期障害を病院で治療する
病院にて更年期障害を治療することでイライラを鎮めます。
ホルモン補充療法、漢方薬、自律神経調整薬、プラセンタ製剤などで治療を行います。
まずは自分が更年期かどうかを知るために、婦人科か更年期外来を受診するようにします。女性ホルモン量を検査してもらうことで更年期に入ったかどうかわかります。薬の効き方には個人差がありますが、医師と相談して症状にあった治療を行うことになります。
3-2.サプリメント
更年期に有効なサプリメントを試してみる方法もあります。
更年期のイライラに有効なものは次の通りです。
- セントジョーンズワート…ヨーロッパに自生するハーブで心を鎮める働きがあります。
- プラセンタ…豚や馬の胎盤でホルモンや自律神経の働きを調整する作用があります。
- ビタミンB群…精神的に不安定な時はビタミンB群にて改善が期待できます。
3-3.アロマテラピー
アロマセラピーによってイライラを鎮める方法もあります。
入浴時にバスタブに心を落ち着ける効果のあるアロマオイルを1~4滴落とします。
よくかき混ぜてからお湯につかり、蒸気で蒸発するアロマオイルを鼻から吸い込みます。
イライラにいいアロマオイル
- クラリセージ…緊張をほぐして心を優しくする働きがあります。
- ゼラニウム…心を明るく高揚させる働きがあります。
- ネロリ…催眠作用もあって不安な気持ちを抑えます。
- ローマンカモミール…リラックス効果があり、不眠にも効果があります。
4.放っておいたらイライラは治るのか
更年期の精神的症状は更年期の他の肉体的症状がなくなるに伴って無くなります。
ですから放っておいてもイライラは治ります。
しかし、イライラが強くなってしまい周囲の人とトラブルになるほどでしたら病院を受診しましょう。今は自分でも自分の感情をコントロールできていない状態ですから、孤立する前に病院に相談することが必要です。
まとめ
イライラがひどくなった場合は病院に行って相談しましょう。夫や子供では更年期への理解が浅く、「気持ちの問題」と片付けられてしまうかもしれません。診断の結果を伝えることで、より深い理解を促します。