乾燥して肌がカサカサしていたり、外からの刺激によって肌が荒れやすくなっているのは肌のセラミドが不足しているからかもしれません。
セラミドは肌のバリア機能を担っていて少なくなると肌の調子が悪くなります。
この記事を読んでセラミドを化粧品やサプリメントで補うことによって肌のうるおいを保つことができます。
目次
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- 1.セラミドで保湿できる
- 2.セラミドの種類
- 3.セラミド化粧品
- 3-1.天然セラミド
- 3-2.ヒト型セラミド(バイオセラミド)
- 3-3.植物性セラミド
- 3-4.合成セラミド
- 4.セラミドサプリメント
- 4-1.どんなセラミドがあるか
- 4-2.米
- 4-3.こんにゃく
- 4-5.パイナップル
- 4-6.ミルク
- 4-7.てんさい
- 5.機能性表示食品
- 6.選び方
1.セラミドで保湿できる
セラミドがラップのような膜の役割をして肌の内側の水分が蒸発しないようにしています。
セラミドは肌の角質層にある細胞間脂質の主成分です。この細胞間脂質は肌の保湿機能のなかで80%もの割合を担っていてなかでもセラミドは中心的な役割をはたす保湿のエース級の成分です。
セラミドは種類によって少しずつ違う形をしていて主に水をはじいたり、水を保持する性質があります。
このすぐれた保湿効果を生かしてセラミドを化粧品などとして肌に塗ることで肌水分の蒸発を防ぐことができます。
2.セラミドの種類
肌にあるセラミドは1種類ではなく、現在は11種類が存在しているとされています。
同じセラミドですが、形が少しずつ違うため、働きも異なります。それぞれのセラミドは次のような働きをしています。
- セラミド1: 角質層に多く存在して外部の刺激から肌を守るバリア機能があります。アトピーではこのセラミドが不足して、刺激に反応しやすくなっています。
- セラミド2: セラミドのなかでもっとも保湿力が高く、肌にもっとも多く含まれています。
- セラミド3: 保湿力が高く、減少するとシワが目立つようになります。
- セラミド4: 角質層のバリア層をつくっていて、維持していく働きがあります。
- セラミド5: 角質層のバリア層をつくっていて、維持していく働きがあります。
- セラミド6: 水分を保持するのと併せてターンオーバーを促します。シワを浅くする働きがあります。
3.セラミド化粧品
セラミド化粧品にはセラミド2、セラミドNSというようにセラミドの形まで表記してあるものもあります。化粧品の裏書きを見ると、成分が表示されていますから、そこでどのセラミドが配合されているかを見ることができます。
化粧品に配合されているセラミドはどういったものがあるのでしょうか。またどれを選んだらいいのでしょうか。
化粧品に配合されているセラミドのタイプ
セラミド1(セラミドEOS)、セラミド2(セラミドNS)、セラミド3(セラミドNP)、セラミド6II(セラミドAP)、グルコシルセラミド、ヒト型セラミドなどがあります。
年齢とともに減少してしまうセラミドはセラミド3とセラミド6です。加齢が気になる方はセラミド3とセラミド6が配合されたものを選びましょう。うるおいが欲しいならセラミド2です。セラミド2は保湿機能が高く肌で水分をよく保持してくれます。
他のセラミドの数字と略号の組み合わせは次の通りです。
表.セラミドの数字表記とアルファベット表記
セラミドの数字表記 | セラミドのアルファベット表記 |
セラミド1 | セラミドEOS |
セラミド2 | セラミドNS |
セラミド3 | セラミドNP |
セラミド4 | セラミドEOH |
セラミド5 | セラミドAS |
セラミド6 | セラミドAP |
セラミド7 | セラミドAH |
セラミド8 | セラミドNH |
セラミド9 | セラミドEOP |
セラミド10 | セラミドNDS |
セラミド11 | セラミドADS |
3-1.天然セラミド
動物由来のセラミドで主に馬などから抽出されます。
人間の肌との相性がよく、肌へのなじみがいいのですが価格が高くなります。
化粧品での表記
セレブロシド、ウマスフィンゴ脂質、ビオセラミド
3-2.ヒト型セラミド(バイオセラミド)
酵母菌を発酵させてつくられたセラミドで人間の肌にあるセラミドと同じ構造をしたものです。
肌への親和性がよく、天然セラミドよりも安価で作れるので最近期待されているセラミドです。
化粧品での表記
セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミドNP
などのようにセラミドと数字、あるいはセラミドとアルファベットで表記されます。
3-3.植物性セラミド
米ぬかやこんにゃくなどの植物から抽出・精製されるセラミドです。
グルコシルセラミドといってセラミドの前駆体の状態で配合されます。
化粧品以外にも健康食品に配合されているセラミドです。
化粧品での表記
コメヌカスフィンゴ糖脂質 植物性セラミド
3-4.合成セラミド
合成セラミドはセラミドに似た構造のものを化学的に作り出したものです。
安価なので手に入れやすい化粧品に配合されています。
化粧品での表記
ヘキサデシロキシPGヒドロキセチルヘキサデカナミド、N-(テトラデシロキシヒドロキシプロピル)-N-ヒドロキシデカナミド、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド
4.セラミドサプリメント
セラミドは化粧品だけでなく、食べ物から摂取することでも肌がうるおうことがわかっています。
セラミドは米やこんにゃく、とうもろこし、てんさい、パイナップルなどに含まれていて普段の食事から毎日20~70mgとわりとたくさん摂取しているのです。
しかし、食品に含まれているセラミドは分解される過程が複雑なため、体内ではその1%以下しか吸収、利用できないことがわかっています。
セラミドサプリメントには植物性セラミドが配合されていますが、そのセラミドはあらかじめ抽出されているので利用されやすくなっています。そのセラミドがシグナルとしてセラミドの生産を促すことが考えられています。
肌のうるおいを得るには3週間から12週間、米やコンニャクセラミドは1.8mg(1,800μg)、パイナップルセラミドは1.2mg(1,200μg)を毎日飲む必要があります。
4-1.どんなセラミドがあるか
セラミドは抽出される原料によっても分類されています。
4-2.米
米から抽出されたセラミドです。米1kgから1gしか抽出できない貴重なセラミドです。
お米から取れるという安心感があります。
1日1.8mgの米セラミドを食べると3週間から12週間で肌の潤いがアップするという報告があります。
4-3.こんにゃく
こんにゃくは食品のなかでも多くのセラミドを含んでいます。
特に国産のこんにゃく芋にセラミドの含有量が多く、米の数倍のセラミドが含まれています。
1日1.8mgのこんにゃくセラミドを毎日摂取するとアトピーの症状の指標の数値が下がることが報告されています。
4-4.パイナップル
パイナップルからもセラミドが抽出でき、他のセラミドと同等に肌へのうるおいを保つことができます。特徴として肌の明るさの改善も報告されているところです。特にメラニンを減少させて肌を明るくさせるので注目されているセラミドです。
1.2mgのセラミドを4~5週間飲みます。
4-5.ミルク
牛乳から抽出されるセラミドはスフィンゴミエリンを多く含んでいます。
スフィンゴミエリンは次にセラミドとなるセラミドのひとつ前の物質です。
植物性のセラミドはグルコシルセラミドの形でサプリメントに配合されていますが、ミルクから抽出されたものだけが、スフィンゴミエリンを含んでいます。
4-6.てんさい
砂糖の原料となるてんさい(ビート)からもセラミドが抽出されます。国内では北海道でのみ栽培されています。
てんさいから取れる抽出物にはセラミド以外にも何かしらの保湿因子が含まれていて、そちらの効果も期待されています。
5.機能性表示食品
セラミドを主成分とした機能性表示食品があります。
「肌の保湿力(バリア機能)を高めて肌の調子を整える」という表記がパッケージにされています。
まだ販売されている種類が少ないのですが、徐々に市場に増えていくことでしょう。
6.選び方
セラミドのサプリメントを選ぶときは、次の点を基準に選んでください。
- トクホや機能性表示食品であるか
- どの植物から抽出されたものか
- セラミドとして1.2mg以上含まれているか
を中心にチェックします。セラミドの含有量が表示に含まれていないものは選ばないようにします。
まとめ
セラミドが肌に少なくなると乾燥しやすくなってしまいます。
化粧品や健康食品を通じて補うことで肌のうるおいを保てることが報告されています。