旦那のちょっとした行動にもイライラする、子供が言うことを聞かずにイライラする、生理前にイライラする、そういった症状はありませんか?
そのようなイライラの症状は漢方薬が得意とします。
漢方ではイライラは「肝(カン)」の乱れが原因と考えられています。
漢方の概念である「肝」は感情をコントロールしていると考えられており、この「肝」のバランスを整えることによってイライラを鎮めることができるのです。
1.イライラにはまず漢方薬がはじめやすい
西洋医薬の鎮静薬をはじめに使うよりも、あまり副作用のない漢方薬ははじめやすいといえます。
漢方は自然の植物、鉱物、動物の原料を使っているので効果は穏やかですが、体の乱れを徐々に整えていくことができます。
そして種類が豊富なので自分に合うものがきっとあります。
漢方薬を選ぶ際は自分の証や体質を見立てなければいけないので、漢方薬局や専門の診療科で見てもらうことをお勧めします。
2.イライラに効く漢方薬
イライラは漢方の概念である「肝」の機能の乱れから起こります。これからご紹介する漢方薬は「肝」の働きを正常に保つことで、体内の気の廻りを整える働きがあります。
イライラし、怒りっぽいひとには黄連解毒湯、生理の時にイライラしやすい時は加味逍遥散、不安もあり、イライラしやすい人には抑肝散陳皮半夏が代表的な漢方です。
この3点であれば通常の薬局でも入手することができます。
症状を伝えて薬剤師に選んでもらうことで効果のある漢方薬にあたる確率が高まります。
その他の漢方についてもまとめましたので参考にしてください。
2-1.黄連解毒湯(おうれんげどくとう)実証
比較的体力が有り、のぼせの強い人でイライラ傾向がある人に効果があります。
熱を覚まし、イライラや炎症を抑えます。
不眠、赤ら顔、更年期障害の諸症状に効果があります。
2-2.加味逍遥散(かみしょうようさん)虚証
イライラの我慢を抑えられないタイプの方に向いています。
体質虚弱で肩こり、疲れやすい、精神不安などの精神症状に効果があります。
更年期障害や月経不順にも効果があります。
更年期やプレ更年期、PMSのイライラに多く処方される漢方薬です。
2-3.抑肝散陳皮半夏(よくかんさんちんぴはんげ)中間証~虚証
虚弱体質で神経が高ぶりやすい人の神経症や、動悸、不眠に効果があります。
筋肉のツッパリをほぐし、心と体の状態をよくします。
2-4.柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)中間証~虚証
体力が落ち気味で、ストレスにより胃腸が弱っている人に効果があります。
風邪を引いて2.3日後、発熱、不眠などを伴う虚弱体質にも効果があります。
2-5.柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 実証
比較的体力がある人の不眠や、気がはる、いらだちなどの精神症状に効果があります。
イライラ、精神不安とともに、脇腹の痛みなどがある人に効果があります。
2-6.大柴胡湯(だいさいことう)実証
比較的体力のある人で便秘がちで、イライラ傾向が見られる人に効果があります。
脇腹に圧痛があり、肩こり、頻尿、下腹部の緊張がある人に向いています。
柴胡には抗ストレス作用があります。
2-7.甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)中間証~虚証
夜泣きや引きつけなどにも効果があります。
情緒不安定で、興奮しやすく、すぐ泣く、などのヒステリー症状に効果があります。
全身または局所に筋肉の硬直や痙攣があり、神経過敏や不眠がある人に向いています。
2-8.温胆湯(うんたんとう)虚証
比較的体力の低下気味の人に向いています。
イライラやストレスによる胃腸の不調に効果があります。
動悸、病後の気うつにも効果があります。
2-9.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 実証
体の熱を覚まし、体の水分循環を改善させます。
体力のある、便秘気味で、肥満体質の方のイライラや肩こりに向いています。
2-10.補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 虚証
胃腸の働きをよくし、元気になる手助けをします。
もともと体力虚弱で、疲労や脱力感がある人、食欲不振、病中病後の方に効果があります。
低血圧、冷え性の人に向いています。
2-11.桃核承気湯(とうかくじょうきとう)実証
のぼせの状態をよくし、血液の循環をよくします。
便秘気味で、精神不安、頭痛がある人に効果があります。高血圧症、のぼせなどがある人に向いています。
3.どれくらいの期間飲めばいいのか?
漢方薬の効果を見るには1カ月~3ヶ月程度かかります。
効果がでない場合は自分の体質、症状と漢方薬が合っていない場合がありますから、違うものを試すといいでしょう。
漢方の効果が現れる期間は数日だったり数週間だったりします。個人によってかなり差があります。
イライラが改善されたら様子を見ながら徐々に量を減らして止めていきます。
4.どこで購入すればいいか?
薬局で市販されている漢方薬も病院で処方される漢方薬も効果は同じです。
病院では症状を伝えて薬をもらえれば保険適用になるので、薬代だけはこちらのほうが安く購入できます。
漢方の知識は薬剤師や医師でも持ち合わせていない場合があり、より専門的に選んでほしい時は漢方薬局や漢方外来を選ぶようにします。
購入する薬が決まっている場合は購入に便利な方を選んでも構いません。
専門の漢方薬局ではオリジナルの煎じ薬を処方しているところもあって、こちらは効果がより高い場合があります。値段は高くなります。
女性のイライラの場合は加味逍遥散が選ばれることが多いです。
5.漢方薬の飲み方
漢方薬は顆粒状で量も多く、味も苦くて飲みにくものがほとんどです。
漢方はお湯に溶かして飲む方が効果が高いと言われますが、飲みにくいのでオブラートに包んで水で飲みましょう。
市販の袋状のオブラートに漢方薬を包み、オブラートの端をもって水にちゃぷんと浸します。
そうするとオブラートが水あめのようになって口の中で舌などに貼り付かなくなります。
そのまま水で流しこんでください。のどを通らなそうな時は2回に分けて飲みます。
まとめ
漢方薬はイライラの症状に効果があります。種類が豊富ですから自分に合うものを薬剤師に選んでもらい、それからはじめてみるのがいいでしょう。
自分にあっていれば1~3カ月で症状が改善していきます。