人間の体内にもともと存在し、保湿には欠かせない成分である「セラミド」。化粧品を使って肌に補給するだけでなく、食べ物から摂取することもできるってご存知でしたか? セラミドの量が減り、肌が乾燥しやすくなる40歳以降は、スキンケアだけでなく毎日の食事にも気を配りたいもの。セラミドを効果的に摂取できる食べ物をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.セラミドとは?
セラミドは、表皮を構成する組織の一番上にある「角質層」に存在する物質です。細胞間脂質の一つで、水分を挟み込んで逃がさない性質があるため、セラミドが十分に蓄えられている肌は乾燥しにくくなります。
セラミドが不足してしまうと、バリア機能が低下して汗やほこりなどの外部刺激に対抗する力が弱まって、肌が荒れたりアレルギー症状を引き起こすきっかけになったりします。「最近、肌が乾燥するな」「かゆみや湿疹があるな」と思ったら、角質層のセラミド不足を疑ってみましょう。
<セロテープを使った、セラミド量のチェック方法>
何も塗っていない状態の肌にセロテープを貼り、そのまま3秒間おいてゆっくり剥がします。この時、剥がした面にマス目状の模様がくっきりとついていればセラミド量は十分。ところどころ薄くなっていたり、乱れていたり、ほとんどスカスカの状態だったりする時は、セラミドの量が不足しています。
2.セラミドを多く含む食べ物
人間の体は毎日の食事からできているので、栄養が偏ると肌の調子も悪くなります。セラミドは様々な食べ物に含まれており、いったん腸で吸収された後、分解されて角質層へ届けられるので、次のような食品を積極的に食べるようにしましょう。
2-1.こんにゃく
こんにゃくの原料である「こんにゃく芋」は、セラミドのサプリにもよく使用されています。こんにゃく芋には「植物性グルコシルセラミド」という物質が含まれているのですが、その量はなんと米や小麦の7~16倍! カロリーが低く、いろいろなメニューに使いやすい食品なのも嬉しいですよね。ちなみに、しらたきにも同様の効果があるので、食べ飽きないようローテーションで使ってみてはいかがでしょうか?
ただし、こんにゃく粉で作られたものにはあまり効果が期待できないので、生芋こんにゃくを使ったものを選ぶことが大切です。
2-2.黒い食べ物や飲み物
黒ごま、ひじき、黒豆、小豆、コーヒー、紅茶、ウーロン茶、黒コショウ、そば、ワカメ、ごぼうなどの黒っぽい色の食品には、セラミドの原料となる「フィトケミカル」が多く含まれています。毎日の食事にうまく取り入れ、どんどんセラミドを増やしていきましょう。
※フィトケミカルは、植物が持つ自己防衛成分。免疫力を高めるので、美肌を作るだけでなく、病気の予防にも効果が期待できます。
2-3.牛乳
牛乳には、セラミドの元となる「スフィンゴミエリン」が多く含まれています。人間の体内に存在するものと似た成分なので、植物性のセラミドに比べて吸収力が高いのが特徴。ただし、十分な保湿効果を得るには1日あたり1,2ℓほどの量の牛乳が必要となるので「ミルクセラミド」を配合したサプリなども上手に利用してみましょう。
3.セラミドのサプリ
セラミドは食品からも摂れますが、十分な量を得るためにはかなりたくさん食べる必要があります。上で紹介した牛乳の他にも、白米なら茶碗25杯分、小麦ならスパゲティで3皿分! これだけの量を食べるのは、男性でも大変ですよね。
そこで便利なのが、セラミドを配合した市販のサプリ。「機能性表示食品」として認可されたものを厳選してご紹介するので、機会があれば利用してみてください。
※「機能性表示食品」とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性があると認められた食品のこと。
セラミド保湿粒/DMJえがお生活
3,700円(税込)
茶碗12杯分の玄米ご飯に相当する「米由来グルコシルセラミド」を配合し、肌を乾燥から守ってくれるサプリ。コラーゲンやヒアルロン酸、プラセンタなどの保湿成分も含むので、続ければ続けるほど肌のうるおいやバリア機能が高まっていきます。ビタミン類の働きで、ターンオーバーの正常化にもお役立ち。
出典:https://www.dmjegao.com/
メディスキン/(株)東洋新薬
オープン価格(1,600~2,500円程度)
メディスキンも、やはり玄米ご飯12杯分相当の「米由来グルコシルセラミド」を配合したサプリ。1日2粒のタブレットで、肌の内側から保湿力を高めていきます。コラーゲンなどの保湿成分やビタミン類、ナイアシン、パントテン酸などの美容成分も配合。
出典:https://www.toyoshinyaku.co.jp/
うるおい宣言セラミドプラス/(株)愛しとーと
4,298円(税込)
「こんにゃく由来グルコシルセラミド」を配合したサプリ。フルーティな味わいのゼリーなので、毎日おいしく続けることができます。また、保湿に役立つマリンコラーゲンや、美容成分の豊富さで「スーパーフルーツ」と呼ばれるアサイーも含まれているので、ぷるぷるの素肌の実現も夢ではありません。1日分のカロリーは10.9キロカロリーです。
出典:http://www.0120041010.com/i
4.セラミドを減らす食べ物
セラミドを増やしてくれる食べ物がある一方で、口にすることにより、かえってセラミドを減らしてしまうものもあります。どれもコクがあっておいしいものばかりですが、美容のためにはできるだけ食べる機会を減らしたほうが無難。次のような食品に注意してください。
- リノール酸を含む食用油
コーン油、グレープシードオイル、ベニバナ油、ひまわり油、綿実油などに多く含まれるリノール酸には、過剰摂取すると「アラキドン酸」という物質を作り出し、セラミドの生成を阻害する作用があります。 - スナック菓子、インスタントラーメン、マーガリン、揚げ物、炒め物、菓子パン、ドレッシングなどの食品
これらの食品には食用油が多く使われているので、やはり食べ過ぎるとセラミドを減らしてしまう可能性があります。特に揚げ物や炒め物、ドレッシングは毎日の食卓に登場させやすいものなので、和風の煮物や焼き魚などをうまく取り混ぜながら摂取量を減らす工夫をしましょう。
5.セラミドの生成を助ける食べ物
カリフラワー、白菜、たまねぎ、じゃがいも、里芋、キャベツ、大豆、白ごまなどの見た目が白っぽい食品には、血行を促進してセラミドの生成に必要な栄養をしっかり届けるという役目が期待できます。ついでに、ターンオーバーに欠かせないビタミン類も運ぶことができて一石二鳥!
また、生姜湯やハーブティーなどの飲み物も、血行を促進する効果が優れています。ほっと一息つきたい時や、食後などに飲んで、血の巡りを良くしましょう。体が温まるので、冷え性対策としてもオススメです。
6.食べ物から摂取したセラミドを減らさないための生活習慣
せっかく食事に気を付けていても、普段の生活習慣に問題があればセラミドはどんどん減ってしまいます。特に次のようなことが原因になりやすいので、思い当たることがあれば改める努力をしましょう。
- 洗顔の方法に問題がある
皮膚のごく浅い位置に存在するセラミドは、手でゴシゴシこするように洗ったり、洗顔回数が多すぎたりすると、洗い流されてしまいます。洗顔をするのは多くても1日2回までにして、十分に泡立てた洗顔料で優しく洗いましょう。泡立ちが悪い場合は、ネットを使うとうまくできます。 - 睡眠不足
セラミドの生成に必要なターンオーバーには、寝ている間に分泌される「成長ホルモン」が深く関わっています。成長ホルモンは入眠後3時間の間に最も多く分泌されるので、いかにこの間、質の良い睡眠をとれるかが勝負。寝室の環境や寝具にも工夫して、毎日ぐっすり眠れるようにしましょう。 - ストレスがたまっている
ストレスを感じると血管が収縮し、セラミドの生成に必要な成分が運ばれにくくなります。また、セラミドを分解する「セラミターゼ」という酵素が発生するので、新しくセラミドを作り出す働きを邪魔してしまうことに。ストレスはこまめに発散し、できるだけためないようにしましょう。
まとめ
セラミドの分泌量は10代をピークに減少し、50歳を迎える頃には半分に減ってしまうと言われています。ですから、化粧品で補うのはもちろん、食べ物で体の内側から補給することが大切。ここでご紹介した食品を毎日の献立にうまく取り入れ、こまめにセラミドを摂取していきましょう。角質層に十分な水分が満たされると、バリア機能が高まり、ターンオーバーもスムーズになりますよ。