鏡を見るたびに憂鬱…あの頃のようなお肌のハリを取り戻すことができたら…。
エステや美容皮膚科には行ってみたものの、やっぱりお肌のハリを取り戻すのは難しいと感じていませんか?
でも、まだ諦めないで下さい。顔のたるみを解消してハリを取り戻す成分として注目されているのがエラスチンです。エラスチンは皮下でコラーゲンを束ねる重要な役割を持っています。
それでは、エラスチンについてもう少し詳しく見て行くことにしましょう。
1.エラスチンとは?
1-1.肌でのエラスチンの働き
私たちのお肌の真皮層には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの美容成分がもともと存在しています。これらの成分は年齢とともに減少していってしまいます。
特に、コラーゲンは皮下組織の約70%を占めるといわれているため、この成分が少なくなると肌がたるんできてしまうため大切な成分です。また、エラスチンは皮下組織の2~4%程度しか含まれていませんが、実は、このエラスチンこそが、コラーゲンを支える大切な役目を果たしているんです。
それではここで、コラーゲンが持つ働きと、それを支えるエラスチンの関係について考えてみることにしましょう。
まずコラーゲンですが、コラーゲンは線維状のタンパク質の一種で、お肌の弾力を保つ働きを持ち、網目状の形状をしています。そして、コラーゲンの網目状の連結部分に絡みつくようにして存在しているのがエラスチンで、ゴムのように伸縮しながらコラーゲン同士を繋ぎ止める役割を持っています。つまり、エラスチンの存在なくしては、コラーゲンは正常な状態で皮下に存在していることができなくなってしまうということです。
コラーゲンとエラスチンのそれぞれの役割を表にまとめました。
成分 | コラーゲン | エラスチン |
役割 | 皮下や関節に存在し、皮下では弾力をキープする働き、関節ではクッション材の働きを持つ | コラーゲンの網目状になっている接続部分に絡みつき、伸縮しながらコラーゲンの働きをサポートする |
また、コラーゲンの隙間にはヒアルロン酸が存在しており、それが大きな保水の役割を果たしています。
1-2.紫外線A波で真皮のエラスチンが変性する
加齢によってエラスチンが減少すると、コラーゲンは自らを支えきれなくなり、これがお肌のたるみの原因となります。ですが、エラスチンの減少は加齢に限ったことではなく、紫外線A波による悪影響が、エラスチンを変性させてお肌を老化に導いてしまう原因になることもあります。
紫外線はA波とB波に分類され、地上に到達するB波は紫外線の約5%程度で波長が短く、まともに浴び続けてしまうと、いわゆる”サンバーン”の状態を作り出す原因となります。また、紫外線の95%を占めるA波は波長が長く、一気に”サンバーン”の状態を作り出すことはありませんが、ジワジワとお肌の内部に侵入し、それによって発生した活性酸素がエラスチンを変性させます。
また、紫外線A波はガラスをも通り抜ける性質持っていますので、本当に注意しなければならないのは紫外線A波であるということです。
日当たりの良いお部屋で過ごすときには、レースのカーテンで直射日光を遮るなどの工夫を行ってみて下さいね。
1-3.エラスチンの変性・減少を防ぐ
1-3-1.紫外線を防ぐ
紫外線による肌老化は、”光老化”とも呼ばれ、特にお肌のターンオーバー周期が長くなる30代半ば以降に現れはじめます。
対策としては、1年を通じて紫外線対策を行うことが、エラスチンの変性の予防につながります。
紫外線の放射量が多くなるのは3月~9月ですが、この時期に限らず、いつでも私たちめがけて降り注いでいることを忘れてはなりません。紫外線は目視で確認することのできない不可視光線だけに、つい油断してしまいがちですが、年間を通じての紫外線対策が、エラスチンの減少予防に役立つということを、常に頭の中に入れておきましょう。
1年を通じて最もお手軽な紫外線対策としては日焼け止めクリームやジェルなどの使用が挙げられますので、外出の際のも、常にバッグの中に常備しておきましょう。
また、前述の通り紫外線A波はガラスをも通り抜けるという性質を持っていますので、ガラス越しの紫外線を無防備に浴びてしまわない工夫も大切です。
1-3-2.食生活にエラスチン
そして、忘れてはならないのが食生活です。栄養バランスの整った食事を心がけることは肌老化の予防にもつながりますので、とても大切なことです。
エラスチンを含む食品には牛筋肉、手羽先、軟骨、小魚、カツオ、鮭などがありますので、これらの食品を毎日のメニューの中に少しずつ取り入れる工夫も行ってみましょう。
ただし、これらの諸品だけに頼ってしまっては意味がありませんので、ビタミン類やミネラル類、タンパク質などもバランス良く摂取しましょうね。
2.エラスチンを体内に取り込むには?
2-1.エラスチンって補えるの?
エラスチンはもともと生物の体内に存在している成分であり、これを含む食品やサプリメントの摂取で補うことが可能です。また、エラスチン配合の化粧品を使用してみるというのもひとつの方法ですが、化粧品からエラスチンを補おうとすると、どうしても無理が生じます。
それでは、なぜ化粧品でのエラスチン補給には無理が生じるのか?最も効率よくエラスチンを体内に取り込むにはどうすればいいのか?考えてみることにしましょう。
2-2.化粧品からエラスチンを補う
エラスチン配合と明記されている化粧品があったとしても、その製品に配合されているエラスチンはエラスチンのままお肌に吸収されるのではなく、アミノ酸としてお肌に吸収されて行きます。また、そのアミノ酸が真皮層にまで届くことはなく、表皮の角質層内に留まります。つまり、エラスチン配合の化粧品を使用するのであれば、”保湿剤”として割り切るべきだということです。
ですが、がっかりしないで下さいね。
エラスチンは800個以上のアミノ酸で構成されている成分で、特にグリシンが占める割合が高いといわれています。また、エラスチンにはグリシンだけではなく、アラニン、バリン、スレオニン、ロイシンなどのアミノ酸が含まれ、さらに、エラスチンにしか含まれていないデスモシン、イソデスモシンというアミノ酸も含んでいます。
これらのアミノ酸は、表皮の角質層で保水の役割を果たし、バリア機能成分のひとつとして働きます。
つまり、化粧品に含まれているエラスチンはそのままの形でお肌から吸収されることはなくても、アミノ酸として、セラミドなどの成分とともに、外部の刺激からしっかりとお肌を守る役割を果たしてくれるということです。
また、エラスチン配合の化粧水を使用する際には、必ず化粧水手にたっぷりと取り、顔全体が濡れる程度の分量を目安として、しっかりとお肌に馴染ませましょう。このときのコツは、手のひら全体を使って、化粧水をじっくりとお肌に馴染ませること。
コットンの使用はお肌へよけいな摩擦を与える可能性がありますので、おすすめすることができません。
2-3.サプリメントから補う
身体の外部からエラスチンを取り込むのが難しいのであれば、サプリメントで補ってみてはいかがでしょうか?
上記ではエラスチンを含む食品をいくつかご紹介しましたが、それらの食品に含まれているエラスチンの量はそれほど多いわけではなく、アンチエイジング効果を狙うためにエラスチンを摂取するのであれば、やはりサプリメントの摂取が最も合理的な方法となります。
また、エラスチンについてはさまざまな研究が進められ、カツオの動脈球という部分にエラスチンが多く含まれていることがわかっています。現在では、「カツオエラスチン」、「フィッシュエラスチン末」、「フィッシュエラスチンペプチド」、「高純度低分子エラスチン」などを配合しているサプリメントが数多く販売されています。また、このようなサプリメントの中には、コラーゲンやヒアルロン酸などの成分が含まれている製品もありますので、ご自身のお気に入りのサプリメントを見つけ出してみてはいかがでしょうか。
2-3-1.エラスチンサプリを選ぶコツ
高濃度でエラスチン配合している成分を選ぶコツは、成分表示を確認し、エラスチンの表示が全配合成分の3番目以内に記載されているものを選ぶことです。というのは、サプリメントのパッケージや説明書に記載されている配合成分は、配合量の多い順に記載されているからです。
たとえば、全10成分が配合されているサプリメントで、エラスチンが10番目に記載されているとしましょう。この場合では、エラスチンが10番目に多く配合されているということになりますので、製品全体に配合されている成分の中で、エラスチンが最下位の配合量であるということです。つまり、エラスチンの配合量が少ないサプリメントであると判断することができるということです。
2-4.どこで購入する?
エラスチン配合の化粧品は、ドラッグストア、通販、バラエティショップ、百貨店などの美容部員がいる化粧品売り場で購入することができますが、最もお手軽に購入することができるのは、通販でしょう。
また、サプリメントもドラッグストアや通販、バラエティショップでも購入することができますが、最近ではサプリメント専門店もありますので、そのようなショップで実際に手にとって製品を確認するのも面白いかもしれません。
まとめ
年齢を重ねると嫌でもお肌の衰えを感じますよね。エステや美容外科に通うことももちろん大切かもしれませんが、ご自身の身近にあるサプリメントで現在のお肌の状態が改善できれば、これほど嬉しいことはありません。
今回はエラスチンの詳細についてご紹介させて頂きましたので、あなたのアンチエイジング対策にぜひ、お役立て下さいね。