「タバコはお肌に悪いと言われているけど、どのくらいよくないの?」と、疑問に思う方もいるでしょう。喫煙女性にとって、タバコがお肌に与える影響は大問題です。くすみやちりめんじわ、しみなどが目立ち始めると禁煙を試みようとする方もいるでしょう。ところがどうしてもやめられない人がいるのも現実です。
タバコに含まれるニコチンは依存性が高いので、お肌に悪いとわかっていてもなかなかやめられません。そこで役立つのがビタミンCです。ここでは喫煙者の場合、どのくらいのビタミンCが必要なのかについてみていきましょう。
1.タバコが与える影響は?
タバコは美容の大敵だと言われていますが、ではどのように影響を与えるのでしょうか。まずはタバコが肌に与える害を見ていきましょう。
1‐1.タバコでビタミンCは失われる
タバコを吸うと体内にニコチン・タール・一酸化炭素などの有害物質が大量に発生します。有害物質の侵入を察知すると、体内に存在する活性酸素は攻撃から守るために戦います。ただ有害物質が大量に発生すると、比例して活性酸素も増えすぎてしまいます。すると活性酸素は暴走し、体を攻撃しはじめてしまいます。
増えすぎてしまった活性酸素を抑えるために、あらかじめ体内には抗酸化酵素が備わっています。抗酸化酵素の働きを助けるのが抗酸化成分のひとつであるビタミンCです。活性酸素の攻撃から守るためにビタミンCはかかせませんが、喫煙することによって失われ不足してしまいます。
2.タバコを吸う女性に必要なビタミンC摂取量は1日110㎎
成人男性 | 90㎎ |
成人男性(喫煙者) | 125㎎ |
成人女性 | 75㎎ |
成人女性(喫煙者) | 110㎎ |
成人女性が1日に必要とするビタミンCの摂取推奨量は75㎎です。喫煙者はプラス35㎎となり、1日110㎎が摂取推奨量です。体内のビタミンCがたばこで破壊されてしまうぶん、喫煙者は多く摂取しなければなりません。
出典:http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/overseas/c03/09.html
3. ビタミンCたっぷりの食品は?効率的な摂り方をチェック
くだもの、野菜、サプリメントやドリンクなどにはビタミンCがたっぷり含まれています。ではどれくらい含まれているのでしょうか。効率的なビタミンCの摂り方も合わせて紹介します。
3-1.くだもの
主にオレンジ・レモン・グレープフルーツ・ゆず・すだちなどの柑橘類に多くのビタミンCが含まれています。しかし意外にももっとも多くの含まれているのがアセロラです。酸味種では100gあたり1700㎎と食品の中でもビタミンC含有量№1を誇っています。甘味種でも800㎎と圧倒的に高い評価となっています。
続いてグアバも100gあたり220㎎と高含有量なので、積極的に摂取しましょう。
3-1-1.くだものは生で摂るのがベスト
ビタミンCは熱に弱く、酸化しやすいため生で食べられるくだものはビタミンCを摂るのに最適だと言えます。調理せず手軽に摂取できるのが、くだものの魅力でしょう。中にはビタミンCを強化して育てられたものもあるので、製品ごとの情報をチェックしてみてください。またくだものジュースもビタミンCを含んでいるのでおすすめです。
3-1-2.ジュースは「濃縮還元」よりも「ストレート」を
100%ジュースにも種類があり、「濃縮還元」タイプと「ストレート」タイプがあります。濃縮還元はくだものから絞った果汁の水分を取り除き冷凍保存し、ふたたび水分を加えてジュースにしたものを言います。加熱処理されているので、ビタミンCは壊れてしまっています。
ストレートタイプはくだものから絞った果汁を低温保存したものを言います。よってビタミンCが含まれているのを期待できます。栄養重視で選ぶのなら、ストレートジュースがおすすめです。
3-2.野菜
野菜もビタミンC豊富な食品で、含有量№1はトマピーというピーマンやパプリカの1種です。生で食べた場合の100g中のビタミンC含有量は200㎎になります。次は赤ピーマンですが生で摂ると170㎎なのに対し、油いためでは180㎎とアップします。
ついで芽きゃべつは160㎎の含有量となります。さらに黄ピーマンの生で150㎎、油いためで160㎎と続きます。くだものと同じく、野菜でもビタミンCが強化されたものもあります。
3-2-1.ピーマン類は油で炒めると効率よく摂取できる
ビタミンC豊富なピーマン類は油で炒めることでビタミンCの量が増えるので、ぜひ炒めていただきましょう。油いための場合は油の膜を張って断面からの酸化を防ぎ、ビタミンCの流出を抑えられます。
特にピーマン類はビタミンCを熱から守ってくれるビタミンPが含まれています。ビタミンPはビタミンCの吸収アップを助けると言われており、油炒めをおすすめする理由のひとつになります。
3-2-2.茹でるのなら野菜スープやみそ汁がおすすめ
もし野菜を茹でるのであれば野菜スープやみそ汁などの汁ものがおすすめです。流出したビタミンCを余すところなく摂取できます。水溶性成分であるビタミンCは茹でると水に溶けだすため、汁ものにすれば流出したビタミンCもムダなく摂取可能になります。
生で摂取したほうがいいと思われがちなビタミンCですが、油で炒めたり茹でたりしても効率よく摂ることができます。いも類はビタミンCがでんぷんに守られているため、加熱しても壊れにくい特徴があります。
3-3.サプリメントなどの補助食品
一般的なくだものや野菜などの食品の他にも、サプリメントや青汁のように人間の手によって加工された食品があるので見ていきましょう。摂りやすさを重視して製造されているので、上手に摂りいれるとスキンケアやアンチエイジングにも効果が期待できるでしょう。
3-3-1.ビタミンCサプリメントやドリンク
通常、ビタミンCサプリメントは「アスコルビン酸」と成分表記されています。他にも以下のように記載されているのでチェックしましょう。
- アスコルビン酸
- アスコルビン酸ナトリウム
- アスコルビン酸カルシウム
- アスコルビン酸無機塩
- バイオフラボノイド配合アスコルビン酸…など
3-3-2.1日複数回に分けて摂取しよう
ビタミンCサプリメントやドリンクは1日複数回に分けて摂りましょう。ビタミンCは水溶性の成分なので、体内に蓄えられません。よって1度にたくさん摂っても体内に留めておけず、排泄されてしまいます。
100㎎の摂取の場合はビタミンCの吸収率が80%から90%なのに対し、3,000㎎摂取したときにはわずか39.1%というデータもあります。吸収されないだけでなく、副作用のリスクもあるので、1度に大量に飲むのはまったくの無意味となってしまいます。
たばこを吸う成人女性の1日の摂取目安は110㎎、上限が2,000㎎ですので覚えておきましょう。1日の推奨量に近く、1回で少量ずつ摂取できるサプリメントやドリンクがおすすめです。
3-3-3.食後に摂取するのがベスト
ビタミンCサプリメントやドリンクは食後に摂取しましょう。ビタミンCは吸収スピードが速いのですが、水溶性のビタミンなので体内にとどまる時間が短く、すぐに排泄されてしまいます。食後ならば食品と一緒に吸収されるため、体内にとどまる時間が長くたくさん摂取できます。
また食後はいろいろな栄養素の影響によって吸収が高まるのも、食後にビタミンCを摂取するのをおすすめする理由のひとつになります。空腹時ではビタミンCの吸収率が20から25%なのに対し、食後では45から60%吸収されるので、食後に摂取しましょう。1日に複数回摂るのが効果的という点からも、食後3回にわけて摂取するのがベストだと言えます。
3-3-4.ビタミンEと一緒に摂るのがベスト
ビタミンEと一緒にビタミンCを摂取すると美肌に効果的です。たばこを吸うと活性酸が発生しますが、ビタミンEによってサビつきを防ぐことができます。ビタミンCは酸化したビタミンEを回復させる作用があるので、一緒に摂ると美肌に効果的です。
ビタミンCサプリメントの中には、ビタミンC単体のものもありますが、数種類のビタミンと一体型になったマルチビタミンなどもあります。本来ビタミンは単体ではなく、複数の成分と協力して力を発揮するので、一緒に摂取するのは効率よく吸収するためにおすすめです。
3-3-5.コラーゲンとビタミンCをセットで
喫煙女性が1日に必要がビタミンC110mgが含まれつつ、コラーゲンも一緒に摂れるようなサプリメントが理想的です。減ってしまうビタミンCとコラーゲンを同時に補うことができるからです。ビタミンCが減ることでコラーゲンの生成も悪くなってしまいます。それを同時に補えるのが、ビタミンCとコラーゲンが一緒に入ったサプリメントです。
コラーゲンサプリメントのなかには喫煙者に向けて臨床試験を実施しているものもあります。
4.喫煙者でもビタミンCの摂りすぎには注意して
食品からビタミンCを摂取する場合、万が一過剰であれば尿から排出されます。よっていくら摂っても問題ありません。ところがサプリメントの場合、腹痛や下痢・吐き気や胃けいれんなどを引き起こしてしまう可能性があるため、1日の摂取制限量が定められています。
安全な成人のビタミンC摂取量上限は2,000㎎とされているので、たとえ喫煙者だったとしてもしっかり守りましょう。現在では少量でもたっぷり摂取できる高濃度サプリメントや、粉末などに加工されており、摂りやすくなっています。よって過剰摂取してしまうおそれがあるので注意しましょう。
まとめ
ビタミンCはお肌の変化が徐々に現れてくる年齢を重ねた喫煙女性におすすめです。たばこを吸わなくても徐々に出てくるくすみやしみ、しわなどのトラブルですが、喫煙者の場合は特にビタミンC不足があるので注意してください。
吸いすぎに気を付けることはもちろん、ビタミンC摂取に効果的なくだものや野菜を積極的に摂りましょう。もし不足が疑われる場合は摂取量を守りつつ、サプリメントなど補助食品を摂りいれると上手に補えます。