若い頃はピンと張っていた肌も、年齢を重ねるごとにだんだんたるみやすくなってきます。これに伴って、ほうれい線も目立つようになるので「実年齢より老けて見られる」と気にしている方も多いのではないでしょうか。
そこでぜひ試してみてほしいのが、自宅で簡単にできる、ペットボトルを使ったエクササイズ。詳しいやり方をご紹介します。
1.ほうれい線ができる原因
ほうれい線の原因は、肌の乾燥、紫外線、不規則な生活、良くない姿勢、喫煙などです。そして、使われていない表情筋の衰えも、肌の状態には大きな影響を与えます。
日本人は、和を保つために感情を表に出さず、ポーカーフェイスでいることを美徳とされる場面が多いですが、そのせいで笑ったり怒ったりする機会が大幅に減り、表情筋の機能が退化してしまうのです。
2.口輪筋を鍛えよう
表情筋が衰えると、皮膚を支える力が弱くなり、肌全体がたるみやすくなります。ほうれい線に関しては、特に口の周りの「口輪筋(こうりんきん)」を鍛えることが重要。
口輪筋がきちんと機能していないと、口をきゅっと結ぶ力が弱くなり、周りの皮膚がたるんでしまうのです。
そのために役立つのが、ペットボトルを使ったエクササイズ。高価な美容器具を買ったり、エステに通ったりせずとも、自宅で手軽に、しかもお金をかけずに口輪筋を鍛えることができます。
3.ペットボトルで口輪筋エクササイズ
ペットボトルを口に咥えてエクササイズをすることにより、口の周りの筋肉が効果的に鍛えられ、ほうれい線を目立たなくするのはもちろん、小顔効果やリフトアップも期待できます。
また、エクササイズをしながら深い呼吸をすることにより、肺活量が増えるという効果も。デスクワーク、スマホの利用、猫背の姿勢、運動不足などにより、現代人は呼吸が浅くなりがちなので、健康維持やダイエットのためにもぜひペットボトルを使ったエクササイズを実践してみてください。
それではさっそく、エクササイズの詳しいやり方をご紹介していきます。
3-1.ペットボトル・エクササイズ1
- 空のペットボトルを準備する。
- 「ほー」と声を出しながら、いったん深く息を吐き出し、お尻に力を入れながら、ペットボトルを口に咥えて大きく息を吸い込む。
- ペットボトル全体がベコベコに凹んだら、今度は大きく息を吐いて空気を中に戻す。
- この動作を、10回ほど繰り返しましょう。
3-2.ペットボトル・エクササイズ2
- 500mlの空のペットボトルを準備する。
- ペットボトルの中に100mlの水を入れて蓋を閉め、少し重さを加える。
- 顔を下に向けた状態で、歯を使わず口の力だけでペットボトルを咥える。
- ペットボトルを咥えたまま、ゆっくりと顔を上へ上げる。そのまま10秒間キープ。
- この動作を、1セット3回として1日2セット行いましょう。
3-3.ペットボトル・エクササイズ3
ペットボトルのエクササイズに慣れてきたら、今度はさらに動きを加えてみましょう。ペットボトルも少しずつ重くしてみてください。
- 口で持ち上げられる程度の重さにしたペットボトルを準備する。
- 顔を下に向けた状態でペットボトルを咥えたら、そのまま顔を上に上げる。
- ペットボトルを口の力だけで咥えた状態で、顔を上下左右に動かす。
- 1回あたり2分程度を目安にして、これを1日3セット行いましょう。
4.ペットボトルでエクササイズをする際の注意点
ペットボトルでエクササイズを行う際に注意したいことや、ポイントをご紹介します。
4-1.自分に合ったサイズや重さのペットボトルを使用する
ペットボトルを使ったエクササイズは、負荷がかかればかかるほど効果があるような気になるものです。
そのため、本当は辛いのに、無理して重いペットボトルでエクササイズをする人もいますが、思わぬケガやトラブルにつながる可能性もあるので、今の自分に合ったものを使うようにしましょう。
最初は空のペットボトルしか扱えなくても、エクササイズを重ねるごとに口輪筋が鍛えられ、徐々に重いものにも対応できるようになりますよ。
4-2.柔らかい素材のペットボトルからスタートする
ペットボトルを凹ませるエクササイズの時は、硬い素材のものだとうまくできない場合があります。これは肺活量が衰えている証拠であり、そのまま無理に続けても成功しないし、気持ちが挫けてしまうだけなので、最初は柔らかい素材のペットボトルから始めると良いでしょう。
また、息を吸い込む時は、一気にベコッと凹ませるより、数秒間かけて行ったほうが効果的です。
4-3.体調の悪い時は無理しない
ペットボトルを使って大きく息を吸ったり、吐いたりするエクササイズは、時にめまいや立ちくらみの原因になることがあります。
無理をすると思わぬケガにつながる恐れがあるので、体調が悪かったり、エクササイズ中に気分が悪くなったりした時は、すぐに中止するようにしましょう。
5.ほうれい線を予防しよう
ほうれい線を予防するために、日常生活において気を付けたいことを説明します。
5-1.肌を乾燥から守る
肌内部の角質層に水分を蓄えておく力は、年齢とともにだんだん弱くなっていきます。そこで重要なのが、正しい保湿ケア。保湿成分をたっぷり含む化粧品を使い、毎日丁寧にお手入れをしていきましょう。
<保湿効果の高い成分の一例>
- セラミド
- コラーゲン
- ヒアルロン酸
- ビタミンC誘導体
- リピジュア
- ローヤルゼリー
- スフィンゴ脂質
- エラスチン
<効果的な保湿ケアのポイント>
- 洗顔後は肌の水分が蒸発しやすくなっているので、時間をおかず、すぐに化粧水をつける
- 化粧水は、手で肌を触った時、吸い付くような感じになるまで繰り返しなじませる。ハンドプレスで温めると効果的
- 特に乾燥が気になる時は、2枚に裂いたコットンに化粧水をたっぷり含ませ、コットンパックをすると良い。時間をおきすぎると逆効果なので、3~10分で剥がすようにする
- よほどのオイリー肌でない限り、化粧水の後の乳液やクリームは使ったほうが良い
- 季節の変わり目や生理前などはいつもの化粧品が合わないと感じることもあるので、肌への負担やトラブルを避けるため、臨機応変に使い分ける
5-2.紫外線(日焼け)に気を付ける
紫外線を浴びると、角質層のコラーゲンやエラスチンがダメージを受け、生成されにくくなってしまいます。
紫外線の怖いところは、目に見えないこと。真夏はしっかり日焼け止めを塗る人でも、天気の悪い日や冬場は何もしないというケースが多いですが、紫外線は1年中降り注いでいるので、気を抜かずしっかり対策をしておくようにしましょう。
<紫外線対策のポイント>
- 日焼け止めは十分な量を使う。少量では紫外線防止効果をきちんと発揮できない。塗り残しなどが気になる場合は、飲む日焼け止めも併用すると安心
- 紫外線は室内にも入ってくるので、外に出ない日も日中は日焼け止めを使ったほうが良い。また、遮光カーテンもうまく利用する
- SPFの値が高い日焼け止めは肌への負担も大きいので、日常生活なら10~20、炎天下でのレジャーなら30~50というように使い分けることが大切。また、寝る前に必ず落とすようにする
5-3.規則正しい生活を送る
睡眠、食生活について、それぞれに注意したいポイントをご紹介します。
<睡眠>
ヒトは眠っている間に分泌される成長ホルモンの働きにより、ターンオーバーを促して肌を正常に保っています。
そのため、睡眠が足りない状態が続くとターンオーバーのサイクルに乱れが生じ、たるみやほうれい線ができやすくなるのです。
成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、入眠後3~4時間の間だと言われています。また、レム睡眠とノンレム睡眠がきちんと繰り返される質の良い睡眠であることも重要です。
寝る前にスマホを使う人も多いと思いますが、こうした機器からは脳を覚醒させる「ブルーライト」が出ているので、最低でも30分前には使用をやめるようにしましょう。
半身浴、ストレッチ、アロマなどで心身をリラックスさせると、スムーズな睡眠につながりやすいですよ。
<食生活>
肌のハリを保つためには、毎日の食事で栄養をしっかり取ることが大切です。特に、野菜や果物に多く含まれるビタミン類は重要。値段が安くて栄養価も高い旬の素材を選び、おいしくいただくようにしましょう。
食事だけで栄養が補えない時は、サプリを利用するのも1つの方法です。ほうれい線対策に効果が期待できるものには、次のような種類があります。
▲ほうれい線対策に使えるサプリの一例
- 大豆イソフラボン
- コラーゲン
- プラセンタ
- アミノ酸
- ヒアルロン酸
- セラミド
5-4.姿勢を良くする
スマホやタブレットなどを使う時は、知らず知らずのうちに体が前傾姿勢になってしまいますよね。すると、頬の肉に重力がかかってたるみやほうれい線ができやすくなります。
また、猫背の姿勢をとると血行が悪くなり、肌細胞の生まれ変わりに必要な栄養が運ばれにくくなるので、これも老け顔を作る原因になります。
スマホやタブレットを使う時は、できるだけ背筋をまっすぐに伸ばすようにしましょう。背もたれのある椅子を使うと、長時間でも良い姿勢を保ちやすいですよ。
そして、スマホやタブレットを目線と同じか少し低い位置まで持ち上げ、もう片方の手を肘とお腹の間に入れて支えてください。
また、長時間の使用で目の周りの眼輪筋が疲労すると、つながっている口輪筋にまで影響してしまうので、疲れを感じたら休憩をとり、遠くのものを眺めるようにしましょう。
5-5.頬杖をつかない
机に座る時、無意識に頬杖をつく人も多いと思いますが、これをやってしまうと想像以上に強い圧力が頬にかかるため、骨格が歪んだり、皮膚が引っ張られたりして、たるみやほうれい線ができやすくなります。
癖になっているのを自覚して治すのは難しいですが、友人や家族にも協力してもらい、できるだけ頬杖をつかないで机を使えるようにしましょう。
5-6.禁煙をする
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。そのため、肌細胞に必要な酸素や栄養素が届きにくくなり、たるみやほうれい線ができやすくなるのです。
その他にも、タバコは歯を真っ黒にしてしまったり、がんになるリスクを上げたりするので、一時的なリラックス効果の他にはあまりメリットがないですよね。
健康な体を維持するためにも、できるだけ禁煙をするようにしましょう。
まとめ
ほうれい線ができてしまう原因や、ペットボトルを使ったエクササイズによる予防と改善の仕方について説明しましたが、いかがでしたか?
口の周りに線があると実年齢より老けて見えるので、いつまでも若々しい印象を保つためにも、ぜひエクササイズを続けてみてくださいね。