生理前には不調になることが多いのですが、今回はなかでもイライラに効果のある漢方を選びました。
生理前は「毎回イライラする」、「突然怒りっぽくなる」などの症状で困っていませんか?
これらは生理前症候群の症状ですが、漢方はこのような症状にも効果があります。
月経前のイライラ改善には漢方を始めてみましょう。
1.生理前にイライラするのは?
生理前にイライラしやすくなるのは神経伝達物質のひとつ、セロトニンが急激に減少して、精神を落ち着かせることが難しくなるからです。
出典:http://www.jsog.or.jp/PDF/61/6112-657.pdf
2.漢方医学からみたイライラ症状の原因
このイライラ、起こりっぽいなどの症状は、漢方医学における気滞(きたい)、気逆(きぎゃく)を伴うことが多いと考えられます。
漢方における「気」というのは目に見えないエネルギーのことで、体中を巡って生命活動を支えています。この「気」の流れが滞ったり、不足することで体に様々な症状があらわれます。
「気」は、血液と同じような働きをする「血」や、血液以外の汗やリンパ液などの働きをする「水」を巡らせる働きもあるので、気が停滞することによって様々な不調となって現れます。
この3つをスムーズに巡らせることが漢方の治療です。
「気」に関わる異常は「気滞」と「気逆」があります。
気滞(きたい)
「気滞」とは体の中の気が上手く回らずに詰まった状態をいいます。
具体的には、手足が重く感じたり気分がすぐれないなどの症状があらわれます。
気滞の状態を放っておくと、益々気の流れが淀んでストレスの影響を受けやすくなります。
気逆(きぎゃく)
「気逆」とは気の流れが逆になることを言います。
普通は身体の中枢から抹消に向かうはずの気の流れが逆に中に向かいます。この働きによってのぼせなどの症状となります。怒ったり興奮して頭に血が上るのは気が中に向かっているからです。
この時にいらいらを感じたり、動機がしたり、突き上げてくるような動機があります。
次にこれらの状態を緩和してくれる漢方を見ていきます。
3.イライラに効く漢方4選
3-1.女神散(にょしんさん)実証
冷えと熱をとり、体内のバランスの崩れによる気の逆上によるのぼせ、イライラを取り除きます。実証の方向けです。
3-2.桃核承気湯(とうかくじょうきとう)実証
体力があり、がっちりタイプの人に代表される漢方です。月経前になるとイライラが強くなり、いてもたってもいられないような症状のある人は、桃核承気湯が向いています。
血液の循環をよくして血の滞りをよくして、気の逆上によるのぼせ、イライラや不安、便秘などの症状に向きます。
3-3.加味逍遥散(かみしょうようさん)中間証
イライラは「肝」の乱れが原因と考えられています。
よって肝の機能を養ったり、バランスを保ち、イライラを沈める効果のある漢方が向いているのです。
「加味逍遥散」は産婦人科の三大漢方薬の一つで女性特有のトラブルを緩和してくれます。現代はストレスにより、頭痛やめまい、不眠などの症状に悩まされる人が少なくありません。
加味逍遥散はそういった不調によく使われます。
気鬱傾向、不安、落ち込みやすい症状が目立つ場合は加味逍遥散を、攻撃性があり、興奮しやすく、気難しいタイプの方のイライラには抑肝散陳皮半夏がよいでしょう。
3-4.抑肝散(よくかんさん)虚証
漢方には「肝」は怒りを、「心」は喜びを、「脾」は思いを、「肺」は悲しみを、「腎」は恐れを担当していると考えます。
この「五臓」の中でも精神の活動の中心となるのが「肝」と「心」であり、ともに深い関わりがある臓腑です。
これらは不調を起こしやすく、不安定になりがちです。
この「肝」が高ぶることで怒りやイライラとなって現れます。
「抑肝散」は文字通り肝の高ぶりを抑えることから名付けられたもので、興奮しやすくイライラする、眠れないなどの症状に用いられます。
出典:http://allabout.co.jp/gm/gc/413010/
4.証とは
漢方の名称の後に「実証」「中間証」「虚証」という記述がありますが、漢方の概念に「証」というものがあります。これはその人の体格や体質、性格をあらわします。
体力があり、筋肉質、血色がよく暑がりの人は実証、体力がなく、細くて華奢、肌荒れしやすく寒がりな人は虚証、どちらにも当てはまらず食欲も普通、胃腸も弱くも強くもないなどの人は中間証です。漢方を選ぶときの参考にしてください。
参考文献:女子漢方 著者:矢久保修嗣 木下優子 上田ゆき子
出典:http://www.kigusuri.com/kampo-care/009-2.html
5.漢方の飲み方
漢方はお腹が空っぽの状態の服用が望ましいです。
食事と食事の間にお湯で飲むとよいでしょう。お湯の温度は人肌くらいで、一度沸騰させてから冷ました「白湯」にします。
漢方の効果を得られるのは飲み始めてから1ヶ月以上はかかります。続けて飲んでみて効果の得られないときは医師や薬剤師に相談しましょう。
5.漢方の購入方法
ドラックストアや薬局で市販されています。専門的な漢方薬や煎じ茶などは漢方薬局で購入する方法もあります。市販のものより高額になるので薬剤師に相談したり、金額を聞いておきましょう。
イライラや怒りっぽいを通り越して、人を罵ったりする言葉が出るときは病院を受診します。
漢方薬も保険適用にて処方してもらうことができます。
まとめ
漢方の良いところは自然の生薬をそのまま飲むだけというところにあります。お薬を使うのに抵抗があるという人にはよいでしょう。
生理前のイライラに効果のある漢方薬についてまとめました。