プラセンタを飲んでいると元気が出たり、つらい更年期が楽になったり、お肌が美しくなったりします。なぜでしょうか?
実はプラセンタには女性に嬉しい成分が2グループ含まれています。
プラセンタとは胎盤のことですが、胎盤は胎児を育てるために必要な酸素や栄養分を供給する力を持っています。未熟な胎児の内臓の代わりをしたり、老廃物を分解したり、胎児が病気にならないように免疫機能の代わりもしています。
このように万能な行いをしてくれるのが胎盤です。
この胎盤は出産後に不要となり外に出るのですが、人間以外の動物はまず母親が自分の胎盤を食べてしまいます。栄養に富んでいることが本能的にわかっているようです。
この胎盤を洗浄して消毒し、分解して、食用にできるものにしたのがプラセンタエキスです。
1.プラセンタの成分
さてプラセンタの有効成分は大きく2つに分けられます。
- 栄養成分
- 成長因子
です。
1-1.栄養成分
まずは栄養成分から見ていきましょう。
アミノ酸、活性ペプチド、タンパク質、脂質、脂肪酸、糖質、ムコ多糖体、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素などがプラセンタには含まれています。
プラセンタの栄養成分
アミノ酸 |
ロイシン、リジン、バリン、スレオニン、イソロイシン、グリシン、アラニン、アルギニンなど |
活性ペプチド |
薬理活性の中心である活性ペプチドが数多く確認されている |
タンパク質 |
アルブミン、グロブリンなど |
脂質・脂肪酸 |
コレステロール、ホスファチジン酸、ホスファーチジールエタノールアミン、ラウリン酸、パルミチン酸など |
糖質 |
グルコース、ガラクトース、ショ糖など |
ムコ多糖体 |
ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸など |
ビタミン |
ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシンなど |
ミネラル |
カルシウム、ナトリウム、カリウム、リン・マグネシウム、亜鉛、鉄など |
核酸 |
DNA、RNA、および代謝産物 |
酵素 |
アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ヒアルロニターゼ、アデノシン3リン酸など100種類近くが確認されている |
出典 プラセンタ本気で若返り日記 塚田扶美、よしだみぼ著
実に多くの栄養成分が胎児の体を作り上げるために含まれていることがわかります。特に活性ペプチドはプラセンタの効果において、重要な役割を果たしています。
1-2.成長因子
次に成長因子です。プラセンタには上皮細胞組織、神経細胞、肝細胞、繊維芽細胞、免疫細胞などの細胞の増殖を促す因子が含まれています。細胞に「あなた増えなさい」と刺激を与える因子でこれを成長因子と呼びます。
プラセンタに含まれる成長因子
成長因子 |
HGF(肝細胞増殖因子)、NGF(神経細胞増殖因子)、EGF(上皮細胞増殖因子)、FGF(線維芽細胞増殖因子)、CSF(コロニー形成刺激因子)、IGF(インシュリン様成長因子)、IL-1(インターロイキン1)、IL-2(インターロイキン2)、IL-3(インターロイキン3)、IL-4(インターロイキン4) |
これらの成長因子はプラセンタを製品化する際の酸や熱である程度分解されてしまいます。しかし、分解されて残った分解物やその前駆体のようなものが存在し、体内に吸収された際に成長因子があるかのような働きをします。多くの臨床試験や医療現場でプラセンタの有効性が確認されています。
プラセンタの学術発表
機能性研究レポート プラセンタ経口摂取による肌状態改善効果 坪井誠
生活習慣病とサプリメント(第12回)更年期からのヘルスケアとプラセンタ療法 小池 浩司
機能性研究レポート 豚プラセンタエキスの機能性 佐藤 三佳子
2.プラセンタの副作用
プラセンタには副作用の心配はありません。ヒトプラセンタの注射においても50年ほどの調査が続いていますが、今のところ重篤な副作用の報告はありません。プラセンタ製剤は厳密な管理のもの製造されており、製造工程の加熱によってウイルス等は不活化されています。
ですが現在、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)への感染のリスクが理論上防げないとして平成18年より、ヒトプラセンタ注射を受けた方は献血が行えなくなりました。この病気への感染例は報告されていません。
日本赤十字社 http://www.hyogo.bc.jrc.or.jp/oshirase/2006.10.10-purasenta/2006.10.10-purasenta.htm
厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/08/h0824-3.html
豚、馬などのプラセンタサプリメントを飲用された方は問題なく献血が行えます。
2-1.プラセンタによる蕁麻疹
プラセンタは豚や馬のプラセンタを原料として、アミノ酸やペプチド、たんぱく質が含まれています。どの食品にも言えることですが、個人の体質によりタンパク質に対して免疫反応をしてアレルギー症状が出る方がいます。肌のかゆみや蕁麻疹がでた場合は医師に相談してください。
3.安全なプラセンタ製品の選び方
安全でより効果的なプラセンタを見分けるにはどうすればいいでしょうか。
良識あるメーカーのプラセンタは厳密に管理されており、製造工程での滅菌も行われていることから安全性に問題はありません。さらにできれば微生物クリアランス試験、ウイルスクリアランス試験を行っていると開示しているメーカーのものを選ぶといいでしょう。
プラセンタをサプリメントで取る場合は、プラセンタエキス純末が100mg以上含まれていることが重要です。プラセンタエキスは液体ですが、プラセンタエキス純末はエキスを濃縮させた粉末です。この固形分が100mg以上含まれているものを選んでください。プラセンタエキスは製造時にいくらでも薄めて作ることができるため、エキスの含有量は有効性と比例しない場合があります。
業界団体である公益財団法人日本健康・栄養食品協会は安全で有効なプラセンタを届けられるようプラセンタの内容成分・表示を規格化しました。
出典 http://news.e-expo.net/release/2013/09/post-143.html
表示例
上の例のようにプラセンタエキスだけでなくプラセンタエキス純末が何mg入っているか表示されているものを選ぶようにしてください。純末と原末もまた違いがあり、原末はデキストリンやアミノ酸などで薄められている場合があります。
この規格にのっとったプラセンタエキス純末を使用している商品のプラセンタは1日100mgを摂取すれば十分効果があります。
まとめ
胎盤は胎児を育て上げる機能・栄養をもった組織です。その組織を私たちの体に取り入れたら、健康にいいだろうということは簡単に想像できます。安全で有効性の高いプラセンタ製品を選ぶことが大切です。